JAL「退職強要」の即時中止を!日本共産党国会議員団が馬淵国交大臣に申し入れ。
日本航空が、パイロットや客室乗務員を乗務から外し、退職を強要している問題について、 日本共産党国会議員団は、14日、国土交通大臣ならびに厚生労働大臣に対し緊急の申し入れを行いました。(写真は、 馬淵澄夫国土交通大臣に申入書を手渡す私、高橋千鶴子、笠井亮の両衆院議員)
申し入れは、安全運航を脅かす「退職強要」を即時中止させ、安全と公共性を最優先にした日本航空再建を求めています。(続きを読む、に全文)
国土交通大臣 馬淵澄夫 殿
2010年10月14日
日本共産党国会議員団
安全運航を脅かす『退職強要』 を即時中止させ、
安全と公共性を最優先にした日本航空再建を求める
会社更生法による再建をめざす日本航空(以下、日航)において、公共交通機関としての生命線である安全運航を脅かす重大な事態が生じている。日航は、安全運航の担い手であるパイロットや客室乗務員など労働者に対して、『整理解雇』をちらつかせ、乗務からはずし仕事を奪い、強制的に退職に追い込む違法な「退職強要」を行っている。「解雇の対象になりたくないから、余計なことは言わない」など極度の不安が職場を襲っている。その結果、労働者のモチベーションが低下し、 重大事故の予兆をつかみ警告する「ヒヤリハット」報告等が減少するなど、日航自らが、事故を多発させた反省の上に築き上げてきた安全文化が崩壊しつつある。
安全運航の確保は、公的資金による日航再建を選択した政府の責務であり、安全運航を脅かす、いかなる懸念も取り除くため、あらゆる手立てを講じるべきである。
日航の更生計画案では、今年度中にグループ社員の3分の1にあたる約1万6000人もの人員削減を計画している。日航は、この計画を遂行するため希望退職募集を実施している。9月からの募集では、一次締め切り時点での応募数が目標に達しなかったとして、9月27日に「整理解雇の人選基準(案)」なるものを示し、10月1日から、年齢の高い労働者を中心にパイロットや客室乗務員を乗務からはずし、個別面談で退職を迫っている。仕事を取り上げ、応じなければ整理解雇をちらつかせるやり方は「強要」以外何物でもない。
さらに、このやり方は、すでに6月時点で構想されていたことが、社内文書でも明らかになっている。「はじめに強制解雇ありき」のやり方である。
政府が主導する再建で、こうした不当、違法な行為があってはならない。断固とした監督・指導を求める。
日航の再建について、わが党は、経営破たんの原因と責任を明らかにしたうえで、安全と公共性の確保を基本にすべきことを主張してきた。更生計画案の概要では「安全運航確保」が記載され、「計画の実行にあたり安全への配慮が疎かにならないよう」としている。(1月19日会社更生申請時の「日本航空再生の方向性」概要表に記載がなかった)
ところが、今回の人員削減について「金融機関との約束事で、絶対に達成しなければならない」などと会社幹部が語っている。安全確保より財務・コスト削減を優先する「人員削減ありき」の態度と言わなければならない。そもそも、今年度内に1万6千人もの人員削減をはじめ、今回の希望退職措置の目標人数の根拠も不明確である。安全運航の確保や地域の足としての公共性確保が計画にどれだけ、反映されているのか疑問である。
よって、下記のとおり、要求する。
記
1、一定の年齢層を狙い撃ちにした「面接」や仕事はずしなど、日本航空による労働者への「退職強要」はやめるよう、監督・指導すること。
安全運航を確保するため、労働者のモチベーションの維持・高揚を図るとともに、「ヒヤリハット」報告など安全確保体制の点検を実施し、確立するよう監督・指導すること。
2、日航再建にあたって、安全や公共性の確保を優先して実施するよう日本航空管財人に強く要請すること。
3、日本航空の破綻の原因と責任を明確にし、安全と国民の足を守る立場から、空港整備や地方空港の運営のあり方など、空港・航空行政のあり方を見直すこと。
以上
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