東京外環道計画は中止せよ 政府に申し入れ
16日、私は笠井亮衆院議員と日本共産党党東京都議団とともに、 政府が追加経済対策で整備路線化を打ち出した東京外郭環状道路計画を中止するよう麻生太郎首相にあてて申し入れました。
党都議団から吉田信夫、松村友昭、植木こうじ、たぞえ民夫、かち佳代子各都議が参加しました。国土交通省からは、 西銘恒三郎政務官・衆議院議員が応対しました。(写真)
国と都は沿線住民や自治体の反対を押し切り、1970年以来凍結していた外環道の練馬区― 世田谷区間(約16キロ)を地下トンネルで建設する計画です。
外環道の建設が住宅の立ち退きなど地域に重大な影響を及ぼすとして町会ぐるみの反対運動が起き、自治体から「合意がない限り建設は反対」との声が出ています。国と都が地域で開いている説明会でも疑問や批判が続出しています。
私は、都が狙う地上部の道路と合わせれば数兆円に達する計画を2016年オリンピックの招致をてこに進めるのは許されないと批判し、外環道計画中止と整備路線化のための国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)を開かないこと、不況に苦しむ国民の暮らしや福祉などに予算を振り向けることを求めました。
西銘国交政務官は住民の意見を聞くことは大事だとして「趣旨は大臣に伝える」と答えました。
内閣総理大臣 麻生太郎 殿
国土交通大臣 金子一義 殿
2009年4月16日
日本共産党 国会議員団
同 東京都議会議員団
東京外かく環状道路(外環)建設の中止等を求める申し入れ
政府が4月10日決定した 「経済危機対策」は、柱の一つとして三大都市圏環状道路の推進を盛り込みました。その中で、 「国幹会議の議を経て外環等を整備計画に位置づけ」るとして、外環 (関越道~東名高速)の事業化に着手することを明記しています。
そもそも、外環の建設計画は、高度成長期に右肩上がりの経済成長を前提に計画されたものです。本格的な高齢社会の到来と少子化がすすみ、自動車交通依存からの転換が求められる今日、そのあり方そのものを見直すべきものです。
国と東京都は、本体工事の方式を大深度地下方式に変更しましたが、地上部道路をふくめ3000棟もの住宅の立ち退きや、湧水の破壊、自動車公害の増大などの環境悪化は避けられず、加えて事業費が地上部を含めて4兆1000億円に膨れ上がることになりました。
この外環建設に対して、地元自治体からは疑義が提出され、地域住民の皆さんが大きな不安と懸念や疑問、不信、反対の声を上げているのは当然のことです。
財政逼迫のおり、貧困にあえぎ、不況に苦しむ国民・都民を救済することなく、莫大な予算を外環建設につぎ込むのは、全く間違った予算の使い方です。
外環建設を推し進める背景には、日本プロジェクト産業協議会など財界・ゼネコンの年来の強い要望があります。石原都政も2016年オリンピックをテコにした大型開発の柱にしています。 こういう大型開発は、90年代に大盤振る舞いした公共事業が、 将来に“負の遺産”を残したやり方と何ら変わりません。景気対策にもならないことは目に見えており、「経済対策」 に入れるべきではありません。
したがって、以下のとおり申し入れます。
記
1、外環 (関越道~東名高速)建設計画は、ただちに中止すること。
2、地元住民及び自治体の合意を得ていない外環 (関越道~東名高速)を議題とした国幹会議は開催しないこと。
また、形骸化している国幹会議のあり方を抜本的に見直すこと。
3、貧困にあえぎ、不況に苦しむ国民・都民のくらし、福祉、教育、中小企業支援や生活密着型公共事業等に予算をふりむけること。
以 上
| コメント (8) | トラックバック (1) | Update: 2009/04/17
コメント
議員活動お疲れ様です。
おいらが穀田さんのブログ見初めていつも思うことがあります。それは、
なぜこの国では
当たり前に判断・決定できることが、歪んだ形に判断・決定されるのか?
ということです。
今回のブログの内容についてもそうです。
地元の人が要らないっていってるし、今更無理して作ってもさして役にたたないなら、止めるべきだ、とおいらも思います。
あと『オリンピック招致がらみ』らしいこと書いてましたけど、
それこそ、オリンピックを招致すること自体が
『今更なんで?』て感じがします。
オリンピックが観れればそれにこしたことないのでしょうけど、今のオリンピックは、なんかつまんないので、無理して招致されても観に行くかは微妙です。
『ワールドゲームス』っいう、オリンピックになってないスポーツの世界大会みたいなのがあると聞きました。
おいらはそっちの方が興味があります。
そっちの招致をしてほしいなぁ。と個人的に思います。
なんか駄文ですいません。m(_ _)m
お体にお気をつけて。
(^∀^)ノ
投稿者: 遠藤好浩 | 2009年04月18日 23:09
>地元の人が要らないっていってるし
道路を使うのは地元の人だけではありません。東京東部から東名に行こうとすれば、首都高を使って渋谷→用賀に抜けなければなりません。単に都内を通過するだけの人が大量に都内に入ってきて交通渋滞はひどいものです。東京で生活している多くの人に不便をかけています。また、ドライバーにも多大な苦労をかけています。この不便を一部住人のエゴで押しつけるのかと。
憲法12条にも公共の福祉の理念はあります。立ち退きを求めるのでもいいと思うけど、トンネルを掘るとまで譲歩しているのに、更にワガママを言うのかと。どんだけ厚かましいんでしょうか。
国会議員なのだから、もう少し大局的に物事を考えて行動していただきたいと思います。
投稿者: 公共の福祉 | 2009年04月19日 14:33
公共の福祉さん、冷静に高速道路の問題を考える必要があります。
まず、交通渋滞の解消には、一時的にはなるでしょう。しかし車の流入は更に多くなってまた渋滞が生じます。これが道路の法則です。
二つ目に、そもそも国土交通省の調査でも、都内通過交通だけでなく、都内中心部に入ってくる車が多くなっているのです。即ち東京一極集中のなせる業なのです。
三つ目に、1キロメートル1億円も事業費がかかる、高速道路の建設が、いま道路建設の重点でしょうか。
四つ目に、PIという都民に意見を聞く機会でも反対の声が相次ぎました。また地元自治体も反対の声をあげざる得ない代物なのです。
まして、自然環境を破壊してまで必要でしょうか。
「地元の方々のエゴ」とおっしゃるが、その方々の声もHP上で聞いてみる必要があるのではないでしょうか?
投稿者: 恵二 | 2009年04月19日 22:38
遠藤好浩さん、いつもメールありがとうございます。
都は、「オリンピックのため」と宣伝しています。オリンピックに名を借りた大規模プロジェクトを推進しようというものです。三環状線の一つ、外環道は1966年に計画されたものです。
この計画は、1970年に、都民の反対で、凍結されました。しかし、この計画で大儲けを狙う財界・ゼネコンが建設推進をぶちあげたのが、今日の建設推進のウラにあるわけです。これがことの真相です。
投稿者: 恵二 | 2009年04月19日 23:16
国交省は、外環道の建設計画で、費用便益についてかなりの水増しを行っています。あらためてこの部分について、資料を精査し、国交省の欺瞞に満ちたこの計画の全貌をどうか暴いてください。期待しています。
投稿者: 大泉太郎 | 2009年09月21日 03:20
大泉太郎さん、メールありがとうございます。
おっしゃる通りでしょう。
「ムダ」「環境破壊」と地元自治体をはじめ多くの方々が反対の運動を行い、40年以上も封印してきたことが大事ですよね。
また、国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)で、どんな議論が行われたか、採決はなどについても研究することも大切ですね。
投稿者: 恵二 | 2009年09月22日 22:15
ごぶさたです。3月下旬に、千葉では収用事業の縦覧があり、このパブリックコメントを千葉県知事宛に送ったのですが、公表されてないようです。
指摘したのは、1)地盤沈下に備えて、事前調査の範囲を明確に定めているのか確認を求めたが、条文や数値を示されなかったこと。恣意的に事業費を水増しされることにならないか。2)過去の民間による環境アセスでもクロ判定されたままの現行案(半地下込み全10車線規模)では健康被害が懸念されるが、発生した時の賠償金の財源は税から出すのか。の2点です。(県議、市議にも同報)
同じ県内で、類似規模の道路に近い体育館でのPM2.5測定値も米国環境基準を超過しているとの報告があります。(この報告を尼崎裁判で批准したことが県議によって紹介されている)
事前調査の範囲は、横浜北環状のサイトの説明を適用すると、100m超の幅になると予測されます。
投稿者: 横田 | 2009年09月25日 12:29
横田さんお久しぶりです。
おっしゃる点は、ほんとうに重要な視点ですよね。
メディアや県議会・市議会にも意見を表明してはどうでしょうか。
投稿者: 恵二 | 2009年09月27日 23:11