『ハウジング・プア』生存権が脅かされている実態を追及ー予算委員会
本日午前中、衆議院・予算委員会で「今後の日本社会について」の集中審議がおこなわれ、私が質問に立ちました。
私は、生存権の重要な要素である『住まい』の問題について、麻生太郎・首相の認識を質しました。
私は、まずはじめに「派遣労働者は『職を失うと同時に住居を失う』という状況に直面している・・・総理は『ハウジング・ プア』という言葉を知っているか?」と質問。麻生首相は「知ってます」と答えました。
『ハウジング・プア』というのは、新しい用語です。
昨年までの大企業は好景気を謳歌し、史上空前の大儲けをあげてきましたが、そのさなかでも、中小企業・労働者・
多くの国民にはその恩恵がありませんでした。派遣・請負等の非正規雇用が拡大し、職を失うことが住まいを失うことに直結する「社会的弱者」
を生み出したのです。
私は「経済危機以前から政府の社会経済政策により、国民生活はこれまでと違う深刻な状況に置かれた。
そこに今回の経済危機が襲いかかった」と強調。そして「今の政治に必要なのは、生存権が脅かされる事態を解消する対策が求められている」
と指摘し、麻生首相に認識を質しました。
麻生首相は、公営住宅の提供や職業訓練など、現在政府が行っている施策をいくつか並べ、「対策を打っている」と答弁しました。
これにたいし私は「現実に『住まいがない、行き場がない』という、現実を見ていない」と批判しました。
労働者だけではありません。群馬県渋川市の老人施設『静養ホームたまゆら』
での火災事故に象徴されるように、高齢者の生活保護受給者の問題も深刻です。厚生労働省に対し「『たまゆら』のように、
法的な位置づけがされていない共同住宅に、生活保護受給者がどれだけ入居しているか」と質問。
厚生労働省の社会・援護局長は「今年1月1日現在で14,268名」と答弁しました。(写真右)
これらの施設入居者は、法的位置づけがないことで、劣悪な居住条件にある事態も想定されます。
NHKの報道番組「AtoZ」では『無届け老人ホームの闇』と題して、行き場のない高齢者を劣悪な状態に置いている実態―
『一部屋に7人がタコ壺状態、一日の食費300円、保護費を取りあげてしまって渡さない、「ここは地獄です」という入居者の声』、
と紹介していました。低所得者を食い物にする『貧困ビジネス』が跋扈しているのです。
特別養護老人ホームの抑制で待機者は39万人です。私は「公(おおやけ)が手を打たなかったことによって、 貧困ビジネスがはびこる」と指摘し、麻生首相に公的住宅や社会保障の「抑制政策を反省しているか?」と質しました。
「きちんと、対応を急がなくてはいけないとは認識している」と答弁したことは大事ですが、 抑制政策そのものへの反省はありませんでした。
質問の最後に、私は「貧困の拡大で、住まいがない、行き場がないという現実を見ているとは思えない。 政府の経済対策は社会保障抑制路線はそのままで、貧困の拡大に対する対策が欠如している。現実を見つめて、 人間らしく生きることができる社会をつくることが必要だ」と強調しました。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2009/05/12