森永ひ素ミルク中毒の被害者を守る会41回全国総会
昨日の午前中、京都市中京区の京都労働者総合会館において、 「森永ひ素ミルク中毒の被害者を守る会」の第41回全国総会が開かれ、 日本共産党を代表して私が連帯と激励のあいさつを行ないました。
森永ひ素ミルク中毒事件とは、今から54年前、森永乳業製の粉ミルクに工業用のヒ素が混入し、
これを飲んだ1万3千名もの乳児がヒ素中毒になり、130名以上もの中毒による死亡者を出した、世界に例のない大規模な食品公害です。
食の安全性が問われた事件の第1号であり、今日ますます重要になっている「食の安全の確保」という点でも、大事な事件です。
ちなみに、加味根史朗京都府会議員は、森永ひ素ミルク中毒の被害者であり、京都の「守る会」の役員でもあります。
≪続きを読む≫に、私がおこなったあいさつの全文を掲載しました。
森永ひ素ミルク中毒の被害者を守る会・第41回全国総会でのあいさつ
第41回全国総会をお祝い申し上げます。
世界に例を見ない「森永ひ素ミルク中毒事件」から54年がたとうとしています。被害者、 そして家族のみなさんの長く苦しいたたかいの結果、すべての被害者を恒久的に救済するという成果をかちとられてから35年になります。 多くの困難をのりこえ、被害者の救済にとりくんでこられた全てのみなさんの運動に心から敬意を表します。
食の安全を確保することは、過去の問題ではなく、今日ますます重要になっている国民的な大問題となっています。この間も、 汚染米問題、中国ギョーザ事件、食品偽装事件など食の安全を脅かす事件が相次いでいます。こうしたとき、みなさんが昨年10月12日、 食品公害事件のの被害者として「社会に警鐘を鳴らす責務」を感じ、「食の生産・加工・流通等にかかわるすべての人々が、 利益追求を最優先するのではなく安全・信用を第一とするよう、心から強く訴え」、行政に対しても「検査体制の強化等」 をもとめるアピールを出されたことは、本当に大切なことだと考えます。
今、「格差と貧困」の広がりは、政治が解決すべき課題となっています。大企業が競い合ってすすめた雇用破壊と、 社会保障の年々の切り下げが貧困に追い打ちをかけ、将来不安をいよいよ深刻にしています。「障害者自立支援」法もその一例です。 これに対してみなさんが、他団体と連帯し、応益負担反対、社会保障の拡充をめざされていることは、多くの国民の願いと一致するものです。
みなさんは「会」の目的に、「被害者を救済し、一切の公害に反対し、
被害者や障害者の人格が尊重される平和で生き甲斐ある社会の建設を目指す」を掲げられています。
時あたかも水俣病特別措置法案が国会で問題になっています。水俣病訴訟の原告団・弁護団がすべての被害者を救済すること、
チッソ免罪では救われないと国会前で座り込み・抗議をおこなっています。
わたしたちは、みなさんと力を合わせ、被害者の救済はもとより、社会保障制度を守り発展させ、公害を許さず、憲法をまもりぬくために、
がんばります。
今年は「森永ひ素ミルク中毒事件」があらためて社会の注目を集め、みなさんの運動を大きく前進させる力となった『14年目の訪問』 発表から40周年の記念すべき年です。みなさんの健康をご祈念するとともに、「会」の運動が本日の総会を契機に大きく発展することを期待し、 あいさつとします。
日本共産党衆議院議員 こくた恵二
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2009/06/29