「住まいは人権」の哲学が必要-マンション管対協のシンポジウム
本日午後、京都市内で「乗り越えよう!『二つの老い』 ~管理組合の自立とマンションの自治、管理組合方式の可能性~」と題したシンポジウムが開催され、パネリストとして参加をしました。 主催はNPO法人京滋マンション管理対策協議会(略称・京滋管対協)
朝日新聞の記者で「わが家のミカタ」と題した連載記事を担当した神田剛さんが、
老朽化したマンションの建物の劣化と所有者の高齢化など、分譲マンションがかかえている課題や、
管理組合の果たす役割などについて講演がありました。
その後、私と、平智之・衆議院議員(民主党)、に神田さんをはじめ、山岡淳一郎さん (フィクション作家)、山口実さん
(建物診断設計事業協同組合理事長)の専門家、コーディネーターの谷垣千秋(京滋管対協代表幹事) を交えて、
パネルディスカッションを行いました。
パネルディスッカッションでは、まずはじめに、講演の中でもふれられた「二つの老い」すなわち、 建物の老朽化と所有者の高齢化という問題で、管理組合の役員のなり手がいないということや、管理費・修繕積立金の値上げもままならず、 大規模修繕も管理会社任せだと割高で積立不足になってしまうことが話題になりました。
各参加者から、これからの時代は「新築」ばかりではなく「修繕」「リフォーム」で、
ストックを活用することが大事だということが口々に語られました。
私は「前提として、『住まいは人権』という考え方・哲学が大事だ。500万戸のストックがあるというが、実際には、
派遣労働者が職を失うと同時に住まいを失うというワーキング・プアー、ハウジング・プア-という実態が広がっている。『住宅提供』に対して、
政治・行政が責任を果たせていない。公営住宅の全世帯に占める割合が欧米では2割以上が当たり前、日本は7%しかない。国全体として
『住まい』の水準(居住・住環境の水準)についての最低基準をつくること、基準を引き上げていくことが大事だ」と提起しました。
そして、大規模修繕の技術者が少ない問題については「新築・建て替えばかりを優遇して儲けりゃイイ』というやり方の歪みの表れだ」
と指摘し、これまでの自民党政権が進めてきた大手の不動産・ゼネコン優先でやってきた住宅政策を批判しました。
さらに『現場の建築労働者の賃金がちゃんと支払われているかどうかが、ちゃんとした技術者が育つかどうか、
まともな品質の建物が建てられたかどうかの試金石だ」と述べました。
また最後に、管理組合の果たす役割については『京都は自治の街、京都でこのマンション問題の解決ができなかったら、 いったいどこが解決出来るのか』という発言をうけ、私も「全く同感だ。京滋マンション管対協に、ますます活躍してもらわないと」 と発言を締めくくりました。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2009/12/06