光琳「紅白梅図屏風」に動き-やはり金箔使用か?公平な論争の機会を!
本日付けの、読売新聞、 毎日新聞、 産経新聞、など主要各紙で報道があったのですが、江戸時代の画家・尾形光琳の代表作の一つ、国宝「紅白梅図屏風(びょうぶ)」 (写真上)について、昨日、静岡県熱海市のMOA美術館で開かれた研究会で「屏風の金地は金箔(きんぱく)である可能性が極めて高い」 との発表があったそうです。
私と、この「紅白梅図屏風」との関わりについては、リンク先をご欄下さい。
「紅白梅図屏風」について、同美術館と東京文化財研究所が04年に「蛍光X線分析装置」などを使って行った共同研究で
「金の含有量が微量」として「金箔ではなく、金粉をにかわで溶いた金泥(きんでい)が使われた可能性」が指摘されていました。
この「金箔偽装説」は当時、NHKスペシャル「光琳 解き明かされた国宝の謎」 として放送されたため、一気に世間に浸透しました。
その「金箔偽装説」に真っ向から反論していたのが、京都の金箔職人・
野口康さん。私のホームページでもたびたび登場いただいています。
私も、野口さんからお話をお聞きし、東文研やNHKという『巨大な権威』に真っ向から立ち向かおうとする姿勢に共感しましたので、
マスメディアの関係者に紹介するなど応援してきました。
今度の発表では「今回の発表は金箔説を強く打ち出したものだが、現段階で結論はつけられない」 「流水部分の銀箔の謎は依然として残っている」(東京理科大・中井泉教授)とのことですが、再びこの「金箔偽装論争」 に世間の注目が集まったことを、まずは喜びたいと思います。
まず、NHKも含めて、一方の考えを押し付けるのではなく、両方の主張を紹介するべきではないでしょうか。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2010/02/15