財産権の侵害あってはならない/ずさんな国土調査で実在する土地が『不存在』に
本日、衆議院国土交通委員会で『国土調査促進特別措置法』 の改正案について質疑がおこなわれ、質問にたちました。
国土調査とは、土地の権利関係や境界線などの利用実態を正確に掌握し、法務局が保存する『地籍図』を作成するための調査で、 日本では1951年からスタート、5次にわたって10カ年計画で進められてきました。
国土調査は、国民の財産権を守ることや、災害などで土地形状が変わったとき、災害復旧のための元になる資料として不可欠であり、、
地籍図の作成は重要です。
現在、5次にわたる10カ年計画で、全国土の49%しか調査が済んでいないこと、特に大都市部(人口集中地区)では20%
程度しか地籍図が作成されていないこと、今期の計画のあり方として実現可能な目標とすること、
計画の実行状況にもとづいいて適宜見直していくこと、事業実施に当たって市町村などの負担軽減をはかること、と注文をつけ、
日本共産党として、第6次計画を促進するために法案には賛成の立場を表明しました。
今回取り上げたのは、地元・京都市が地籍調査の「未着手自治体」となっていて、地籍図作成が0%になっている問題と、 宮城県旧三本木町(現大崎市)が1993~94年に実施した国土調査で、 ずさんな調査により実在する複数の民有地が土地登記簿から消し去られてしまった問題です。
地籍調査では、「山村部の遅れも重大だ」と問題を提起しました。調査未実施の山林も膨大 (終了しているのは18万4094k㎡のうち42%)で、地権者の高齢化、また地権者を探すだけで一苦労で、 森林の荒廃も進み待ったなしと述べました。
地籍調査『未着手自治』の問題では、京都市以外にも、
大阪市やさいたま市などの大都市部をはじめ、231自治体もの自治体が『未着手』として残されています。
私は、地籍図をつくるにあたって「京都市では、古い家屋で屋根瓦どうしが上下に重なって境界線が未確定の土地がやまほどあり、
土地の境界線をめぐるトラブルが現瞬間も多数起きている。現瞬間に起きている土地境界をめぐるトラブルを迅速に解決する仕組み・
人材配置が必要だ」「地籍調査担当者の人件費負担と事務費が市町村の持ち出しになっている」と2つの課題について提起。
前原誠司・国土交通大臣(写真右)は「前者は、どういう仕組がつくれるか具体的な事例を踏まえて勉強したい」「後者については、 新たに国が関与する仕組みを盛り込み改善をはかる」と答弁するとともに「京都市については来年度から着手すると聞いている」 と明らかにしました。
続いて、大崎市・旧三本木町におけるずさん土地登記問題について「なぜ、
こんなずさんな調査が起きたのか」原因について質問。
馬淵澄夫・国土交通副大臣(写真左)は「現在地元の大崎市が調査プロジェクトを立ち上げて調査中であり、現時点では回答できないが」
と前置きをしながらも、宮城県が旧三本木町の報告の不備を見抜けなかった原因の一つに、国の定める『地籍調査事業・事務取扱要領』
の不備があったので、その改訂作業を進めていることを明らかにしました。
また、再調査し登記簿から抹消された土地の記録を「回復」する責任がどこにあるか質問。
馬渕・副大臣は「第一義的には旧三本木町の責任だが、認証をした『宮城県』、調査実施について指導的立場の『国』としても不正・
不備を見抜けなかった責任ある」と認めました。
私は「このよう事態を放置しては、行政の公正さが保てない。財産権の侵害にあたり見過ごすことは許されない」と述べて、
今後の地籍調査促進の教訓にすべき、と指摘。
前原大臣も「まず三本木の事例を徹底的に解明する事が重要。市町村に正確な調査になるよう指導を徹底する」と答えました。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2010/03/26