『命』に関わるフグ毒、実技試験を含む”フグ処理条例”を全自治体で
昨日4月1日、京都府ふぐ組合・理事長の亀井一洋さんが国会を訪れ、 厚生労働省の担当者に、京都府ふぐ組合として初めてとなる”要望書”を提出し、 フグ毒による中毒事故を無くすための諸課題について申し入れ・交渉ををおこないました(写真左)。私も同席、参加しました。
私は昨年、亀井理事長から「実技試験無しでフグ取扱資格を与えている県で、 フグ毒についての無知からくる食中毒事故がいまだに後を絶たない。全国で統一した実技試験を含んだ資格制度が作れないか?」 との相談を受けていました。
「フグは食いたし、命は惜しし」という諺(ことわざ)もある様に、フグの毒は命に関わることもあるほど強い毒であることは、
よく知られています。
フグの取り扱いは厳しく規制され、フグを調理してお客に提供するためには、資格を有した有資格者が、
フグ処理の許可を受けた施設でしかできません。
ところが、そのフグ処理に関わる資格が、都道府県ごとにマチマチになっているということは、あまり知られていないのではないでしょうか?
現在、フグ処理師(フグ調理師)の資格やフグ類の取り扱いのルールは、都道府県知事が定めることになっていて、
フグ処理資格を与えるのに、フグの除毒の実技試験を課している都府県と、実技試験無しで講習を受ければ資格を与える県とがあるのです。
「少なくとも、実技試験が必須の制度に是正する必要がある」というのが、亀井理事長と私の主張です。
厚生労働省の医薬食品局食品安全部の担当者から、フグの取り扱いに関する全国の状況などについて説明を行いました。
厚生労働省の担当者は「フグなどの自然毒は命に関わるほど毒性が強く、科学的な解明もまだ不十分」
「昭和58年厚生省(現厚生労働省)環境衛生局長通知『フグの衛生確保について』
を徹底し、守っていればフグ中毒事故は防げる。この通知をさらに徹底したい」
「現在、フグの取り扱いについての条例を作っていない県に対して、試験制度を含む資格制度と条例の制定を働きかけている。ご指摘を受け、
あらためて全自治体での条例化を目指して頑張りたい」と回答がありました。
亀井・理事長からはさらに、「トラフグの養殖技術の発展で、全国でフグが食べられるようになっている。 知識不足から来る事故を防ぐために、実技試験を含む資格制度がすべての県で必要だ」「講習だけで資格を与えている県もある。 素人みたいな失敗でフグ中毒を起こされては、フグ業界全体がイメージ・ダウンしてしまう」とフグ業界を取り巻く状況を再度説明。
私は「フグ毒は命に関わる。『命』に関わる問題で都道府県ごとに基準の違いがあってはならない。せめて、 実技試験無しでフグ処理資格を与えている県を無くすよう指導するべきではないか?」と指摘。各県のフグ取り扱い条例の有無や、 フグ取り扱い要領の内容、フグ処理資格に『実技試験』を課して無い県がどれだけあるのか?等の実態調査を要請しました。これに対して、 厚労省の担当者は「実態は調査の上、指摘を重く受け止めたい。考え方の根本は分かります」と回答がありました。
| コメント (4) | トラックバック (0) | Update: 2010/04/02
コメント
ふぐの調理師試験は全国統一じゃなかったんですね。ちょっと場所によっては食べるのが怖い感じがします。
てか福岡県は実技試験があるのでそれが当たり前と思っていました。福岡はふぐの水揚げも多いしそこら辺の料理店や魚屋で手軽に買えます。それもちゃんとした試験をクリアしてるからこそ安心して食べられます。
博多に来た時にふぐを食べて見て下さい。
投稿者: 博多の弾丸ファイアー | 2010年04月02日 22:03
そうなんです。ふぐの中毒に当たって亡くなっている地域は、免状の交付の際に、ふぐの毒を除く「実技試験」がないところなのです。
最低限、命にかかわることなんですから、キチンとした基準の基づいてやってほしいですよね。
なかなか、ふぐの料理は高くてね。でも確かに美味しいですよね!
投稿者: 恵二 | 2010年04月03日 23:11
穀田さん。ご心配には及びません。博多は漁港があるのでふぐも安く食べられますよ。3000円位で大丈夫です。
投稿者: 博多の弾丸ファイター | 2010年04月03日 23:34
弾丸ファイターさん。それは楽しみですね。ぜひご紹介ください。
演説会等で博多へ行くことがあっても、すぐ戻るので。もう少しゆっくりできる日程だと良いのですが。
そういうわけにも行かなくて!
投稿者: 恵二 | 2010年04月09日 21:24