空の安全脅かす、日本航空の「退職強要」は許されないーー国土交通委員会でただす。輸送の安全確保に悪影響を与える労働者への「退職強要」をやめさせよ!
本日、国土交通委員会が開かれ、経営再建をすすめている日本航空の違法な「退職強要」問題についてとりあげました。
日本航空の更生計画案では、今年度中にグループ社員の3分の1にあたる約1万6000人もの人員削減を計画しています。この計画を遂行するため9月末から1500人の希望退職募集を実施、これまでに2回募集を行ない、まだ目標に達していないとして3次募集を始めています。
私は「安全運航を確保するには、それを支える労働者のモチベーションがカギだ。必要な要員と労働条件の確保をはじめ、安全への配慮が疎かになるようなことがあってはならない。」と指摘。日航の職場で、退職強要が行われていることを事実で告発。さらに、この事態が安全運行に直結する問題だと、ことの性格を解き明かし、輸送の安全を航空会社に守らせる国土交通省の責任に係る問題として大臣に見解を質しました。
馬淵澄夫・国土交通大臣(写真右)は「ご指摘のとおり」と答弁をしました。
そこで私は「安全運航を脅かす重大な懸念というのは、人員削減のやり方において、この労働者のモチベーションを低下させるやり方、「退職強要」を、経営陣が労働者に迫っている」と述べて、日航の現場で何が起こっているかについて
①整理解雇をちらつかせるやり方。会社は、「整理解雇の人選基準」を組合に提示。客室乗務員に対して、会社は面談で「希望退職に応じ辞めなければ整理解雇になる。貴方は年齢が高いので一番(の対象)」と発言して退職を迫る。ある乗員に対しては「22日までに早期退職希望を提出しなければ22日以降11月19日までに整理解雇されて、退職日は11月30日以降。管財人が整理解雇すると言ってるのだからそうなるのではないか」と発言。あくまでも自主的なはずの希望退職に応募しないと次は強制解雇だという。
②退職に応じなければ、仕事をさせない。(隔離部屋に追い込む)パイロットに10月度について、「空白のスケジュール表」を渡すことまでしている。ある客室乗務員は、10月11日以降に乗務は組まれていたが、10月初めの面談の際、「退職しない」と返答したら、組まれていた乗務から外された、という。この「仕事を与えない」という嫌がらせが違法であるとした裁判例もある。
③面談の問題もある。「『YES』『NO』のどちらを言っても、11月30日付の退職は決まっている」という脅しまでしている。などの日航の職場で行われている面談の事例をあげて、「自由な意思決定を妨げる」「退職強要」そのものだと告発しました。
そして、この問題が安全に直結していることを明らかにしました。
「現場では、『解雇の対象になりたくないから、余計なことは言わない』など極度の不安とコミュニケーション不足が職場を襲っている。」と、実態を紹介し、国交省として、日航の安全確保体制について、監査・調査を行なうべきだ。今回の人員削減や退職強要が安全確保に悪影響を与えていないか調べるべきだと提案しました。
馬渕大臣は、はじめは「違法行為があるのかどうかは把握していない」と繰り返すだけでしたが、最後は「違法行為が事実であれば厚労省が管理監督すべき」との見解を示し、そのうえで「安全をしっかり確保する立場で、日航と企業再生支援機構に指導監督していきたい」と答えました。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2010/10/26