政府に「諫早湾潮受け堤防排水門の開門」を申し入れ。
日本共産党国会議員団は、9日、諫早湾潮受け堤防排水門の開門を政府に申し入れました。
申し入れには、市田忠義書記局長・参議院議員、吉井英勝衆院議員、仁比聡平前参院議員と私が参加し、古川元久内閣官房副長官に申し入れ書を手渡しました。
申し入れでは、開門を命じた6日の福岡高裁判決を受け、▽上告を断念し、直ちに開門の政治決断をおこなうこと。▽来春とされる「アセスメント」の中間報告をまつのではなく、開門を前提として、必要な代替水源の確保など開門準備作業にすみやかに着手すること。 ▽開門の具体的方法・時期の検討は、原告団・弁護団が参加する継続的協議の場をもうけておこなうことーーを菅直人首相に求めました。(《続きを読む》に、申し入れ全文)
2010年12月9日
内閣総理大臣 菅直人殿
日本共産党国会議員団
諫早湾潮受け堤防排水門の開門を求める申し入れ
諫早湾干拓事業について、福岡高裁は今月6日、佐賀地裁に続きふたたび国に対して潮受け堤防排水門の開門を命じました。閉め切りから13年、いっそう深刻になっている有明海漁業の被害と閉め切りの因果関係を正面から認めた重要な判決です。一日も早い開門によって真の有明海再生にふみだすべき政府の責務はもはやまったなしです。
福岡高裁は、「排水門を常時開放しても、防災上やむを得ない場合にこれを閉じることによって防災機能は相当程度確保することができる」と私たちも求めてきた段階的開門の合理性を認めました。また「常時開放によって過大な費用を要することとなる事実は認められない」と国の言い分を明確に退けました。取水実績が国の計画のわずか8.7%にすぎないかんがい用水の代替水源の確保は可能であり、塩害の危険性は証明されていないことを示して「干拓地における営農にとって潮受け堤防の締切りが必要不可欠であるなどともいえない」とした判決は、「農漁共存」の道にこそ道理があることを明らかにしています。いたずらに争い続けるべきではありません。
有明漁民は遅くとも来春の開門実施を強く求めています。2002年の短期開門調査の経験は開門すれば有明海はよみがえることを示しています。2009年総選挙「INDEX2009」でも開門を公約した民主党政権が、この判決とその重みを正面から受けとめて臨まれることを強く求め、次のとおり申し入れます。
一 上告を断念し、直ちに開門の政治決断をおこなうこと。
二 来春とされる「アセスメント」の中間報告をまつのではなく、開門を前提として、必要な代替水源の確保など開門準備作業にすみやかに着手すること。
三 開門の具体的方法・時期の検討は、原告団・弁護団が参加する継続的協議の場をもうけておこなうこと。
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