こくたが駆く

志位委員長、日本航空の「『空の安全を危険にさらす』人員削減・整理解雇」の見直しを要求

志位和夫委員長は、本日の予算委員会において、日本航空ですすめられている企業再生のあり方の問題点をただした。
日本航空安全アドバイザリーグループの提言「守れ!安全の砦」に「安全の投資や各種の取り組みは、財務状態に左右されてはならない・・・財務状態が悪化した時こそ、安全への取り組みを強化するくらいの意識をもって『安全の層』を厚くすることに精力を注がなければならない。決して安全の層を薄くすることで。コスト削減を測ってはならない。薄氷を踏みながら航空機を運航するエアラインを、誰が選択するだろうか」をまず、紹介した。南関東ブロック集会

その上で、この高い見識に比べて、稲盛日航新会長の言動「1年前は・・・『安全が第一で、利益は二の次』だった。今後は・・・数字に強い人材の育成につなげる」とのべていることを示し、「『安全の層』を厚くすることに力を注がなければならない時に、『安全が第一』が問題であるかのようにトップが言うことに、大きな危惧を感じる。菅総理は、『再生の大前提は安全』と述べたが、その考えと食い違いを感じないか」と切り出した。

そして、日航の人員削減の進め方の2つの大きな問題点を指摘した。一つは、年齢の高い人から選別して、退職強要と整理解雇が行われたこと。(驚くべきことにその結果、日航には55歳以上の機長、48歳以上の副操縦士、53歳以上の客室乗務員は一人もいなくなった)経験を積んだベテランパイロット・客室乗務員の存在がいかに空の安全にとって重要かを詳しく論じた。(写真は、質問後の日本共産党南関東ブロック事務省主催の、傍聴者懇談会。JAL不当解雇撤回裁判の原告団の多数も傍聴。)

二つは、南関東ブロック集会2 「病気欠勤や乗務離脱などを、整理解雇の基準にしたこと」と告発した。航空法では運航乗務員の心身に起因する事故を未然に防止することを目的として、航空身体検査を義務付けている。この検査は、運航の不安全要因となり得る乗員の心身状態を徹底的に排除するもので、わずかの不調でも(例えば風邪薬を飲んだ程度でも)乗務を禁止する厳しいものであり、常に一定割合で乗務できない「乗務離脱者」が存在している。

この制度は、乗員の自主申告によって支えられているのが特徴。例えば睡眠障害や腰痛は、外的検査ではわからない。自主申告ではじめてわかる。病欠や乗務離脱を整理解雇の基準にするという前例をつくればどうなるか。

だから、世界100カ国10万人の民間パイロットで組織する国際操縦士協会は「正当かつ社内規定に準じて病欠したにもかかわらず、病欠記録を整理解雇の基準に用いることは、航空の安全を脅かすものである。この悪しき前例が出来あがれば、乗員は体調不良にも関わらず、職を守るために乗務に就かざるをえない危険な状況を発生しかねない」と厳しく警告している。

志位氏は最後に、「今回の日航の人員削減のやり方は、『空の安全』よりも『利益追求』を優先させるものといわざるをえない。国民が再建を願っている日航は、何よりも『安全な日航』だが、その願いに背くものだ。」と断じた。(写真は同じく傍聴者懇談会)

 

| コメント (2) | トラックバック (0) | Update: 2011/02/02

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コメント

志位さんの予算委員会での質問をテレビで見ていましたが、穀田さんもちらっと映ってましたね。ちなみに宮本さんはずっと映ってましたが(笑)。
とにかく志位さんの的確かつ筋の通った質問に対し菅内閣の閣僚の詭弁・弁解だけが目立っていて本当に日本のことを考えているのだろうかと感じてしまいました。TPPにしても日航の問題にしても国保のことでもどうやらなにもしたくないんでしょうね。他の党の質問も政局絡みのことばかりで公明党なんか時間オーバーしてまで訳のわからないことを言っていたのには憤りを覚えました。

やはり国会に共産党がいないと思いましたね。もっと大きくならないと。

 博多の弾丸ファイターさん、」いつもメールありがとうございます。
 コメントの欄にどういうわけか表示できず申しわけありませんでした。
 宮本議員はカメラへの位置取りが偶然良かったのでは(笑い)
 志位委員長の質問は、国民的な闘いを励ましました。 日航の問題では、空の交通の安全という角度から問題を掘り下げたものでした。
 これからもお応援よろしくお願いします。
 

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