「産地の声を生かした伝統産業振興を」と衆議院予算委員会分科会質問で具体的に提案。
25日、衆議院予算委員会の分科会質問が行われました。
所属している国土交通委員会とは別に、他の省庁への質問が行えるという制度で、
今日は経済産業省が所管する伝統産業の振興策について第七分科会で質問を行いました。
私は、2008年2月28日に伝統産業の生産基盤である「稀少道具類の保存」などを求めて、本日と同じ分科会で質問を行いました。
そこで確認したことがどう進展したのか。そして、産地の現状から今求められる具体的な振興策について提案をしました。
まず、国が指定した伝統的工芸品の211の産地で、実際に生産用具の枯渇化がどう進んでいるのか。
この数年間でも「問題を抱えている」産地が急増していることを示し、しかも、対応できていないところが多く、その理由として
「産地だけの取り組みでは限界がある」「実施していくための資金・人材が整わない」「成果をあげるまで時間がかかり、
対応策の成果が間に合うか不明」の3点が共通の産地の声であることを指摘しました。
そのうえで、全国の産地と国、地方自治体などで横断的で緊急に行うべき2つの施策を提案しました。
第一は、「稀少道具類バンク」(仮称)の設立です。私は①ネット上での情報公開、②映像で製造過程、使用課程の保存、 ③現物の保存の3つの機能を求めました.。
第二は、後継者育成に対する財政出動の抜本的強化・拡充です。現状の極めて不十分な実態を批判し、研修者に月10万円、 師匠に月6万円の支援を行っている金沢市の水準の支援を求めました。
また、伝統産業の中でも一大産地の西陣で、その一角を占めるネクタイの深刻な現状を明らかにしました。 中国を中心とする輸入品は2000年には、国内品とほぼ同数でしたが、2010年には、 輸入品が増えている一方で国産品が約5分の1に激減しています。特に西陣では10分の1に激減しています。 その主な要因が西陣織ネクタイを真似た中国産のネクタイが輸入されていることにあると指摘し、ほとんで完成品で輸入されながら、 日本製として販売されている問題を取り上げました。
さらに、ネクタイ用にカットされた中国で織られた生地が、日本で縫製されたから日本製として発売されている問題について、消費者は、 生地も日本製だと誤解すると指摘し、「生地は中国産、縫製は日本製」と表示すべきだと主張しました。
さて、全国の伝統産業の産地のみなさん、西陣をはじめ地元のみなさんの協力を得て、具体的で貴重な成果をあげることができました。 その成果については次回に、海江田万里経産相の答弁など交えて詳しく紹介します。
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