伝統産業の願い受け止め質問、一定の成果を得る。「分科会質疑」続編
25日の衆議院予算委員会分科会質疑で伝統産業の課題に絞り、 どのような質問を行ったかは報告しました。それでは、どのような答弁を得て、成果をあげることができたのか。
ほぼ完成品のネクタイが中国から輸入され、 日本で最後の縫製を行ったということで日本製というのはおかしいではないかという問題提起に対して、 「日本での縫製は一部分であり、日本製とするのは不当表示。厳正に対処する」との答弁を園田康博内閣府政務官から得たことです。
第二の点は、ネクタイ用にカットされた中国産の生地が、
日本で縫製されたからと日本産あつかいになる問題です。「消費者は、日本産なら生地も日本で織られたものだと思うではないか」
との質問に、「生地は中国製、縫製は日本と表記するのが望ましい」との答弁を同じく園田政務官から得たことです。
いままで西陣等の国内のネクタイ産地から経済産業省へ要望されていましたが「国内で縫製さされば日本製」との壁は厚いのです。
生産者の努力で行われていることが、政府としても「生地は中国製」との表記が妥当ということになったのです。
第三点は、仮称「希少道具類バンク」の件です。
3つの機能(①データのネット上での公開、②稀少道具の製造・使用過程の映像の保存と公開、③現物での保存)を持つ「稀少道具類バンク」
(仮称)の創設について、海江田万里経済産業相が「貴重な提案。3点の内2点はすぐに道具類バンクとして実現したい。3点目も検討したい」
と答弁したことです。稀少道具類が枯渇すれば伝統産業の基盤が守れません。なんとしても実現を見届けます、産地の皆さんの協力のおかげです。
感謝に耐えません。
特に国産ネクタイと中国を中心とする輸入ネクタイの推移のデータでは、10年前は日本2300万本、輸入2400万本とほぼ同等でしたが、
昨年は日本540万本(約5分の1)、輸入2500万本と増加。特に 西陣では10分の1に激減しています。
このおおきな要因は西陣のまがい物が横行していることです。
「これは西陣を真似た中国製ネクタイの影響だ」との指摘に、松下副大臣も「私の地元でも、海外の安い粗悪品の仏壇が入り、
日本製でまかり通るから困る」と発言。関係者多数の協力で産地の実態も把握できました。
また輸入品の実物を示して、迫ることができたのは大きかったです。
質疑終了後、大臣、副大臣が、「伝統産業の実態は、本当にそうだ。 こくたさんの言うとおりだ」と挨拶にきました。現場の声に裏打ちされた熱意が共感を広げたことを実感しました。
しかし、実行が問題なのです。答弁をキチンと履行させるべく、 督促と監視が大事です。これからもご支援お願いいたします。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2011/02/27