「被災者支援・復興、原子力・エネルギー政策の転換を ――東日本大震災にあたっての提言」を菅首相に申し入れ。
31日、日本共産党の志位和夫委員長は、首相官邸を訪れ、菅直人首相に、「被災者支援・復興、原子力・エネルギー政策の転換を――東日本大震災にあたっての提言」を申し入れました。
官邸では、菅首相と福山哲郎内閣官房副長官が応対しました。日本共産党からは、市田忠義書記局長と私が同席しました。志位委員長から、主に以下の点を要点として提言説明。
1、政府が、原発事故の収束にむけて、どういう戦略でのぞみ、現段階でどういう見通しをもっているのかを、総理自身が可能な範囲で国民に説明すべきである。
2、復興にあたっては、「生活再建、地域社会の再建こそ、復興の土台」――住宅がつくられ、地域のコミュニティーが再建されてはじめて復興といえる――という立場を堅持すること。生活再建にあたっては、家を失った被災者への個人補償の抜本的な拡充が不可欠。被災者生活支援法にもとづく住宅再建に300万円の支援だが、大幅な引き上げを求める。
3、復興財源についての提案。①法人税減税や証券優遇税制の延長など、2兆円におよぶ大企業・大資産家減税を中止する。②「震災復興国債」を従来の国債とは別枠で発行する。その際244兆円にのぼる大企業の内部留保を、復興と被災地域の経済再建に活用する手立てをとること。
4、「安全最優先の原子力行政への転換」をはかる上で、①政府が昨年策定した、14基以上の原発を新増設する無謀な計画はきっぱり中止すべき。②原子力の規制部門と推進部門の分離、強力な権限をもった規制機関の確立は、急務である。(写真上は、官邸での申し入れ。下は申し入れ後の記者会見)
(菅首相の発言は、《続きを読む》欄に。)
菅首相は、次のように答えました。1、原子炉の冷却と放射能性物質が出ないように懸命の努力中だ。しかし、現状では、見通しを言える状況にはまだない。理解していほしい。そのつどそのつど国民に明らかにしていきたい。福島原発の廃炉に向けてそのプロセスも国際的にオープンにしていきたい。
2、(阪神・淡路大震災の)被災者の生活再建支援法の取り組みではご一緒した。支給額を(300万円から)もっと引き上げる必要がある。
3、法人税の減税などは、見直しを含めて検討したいし、証券税制は検討の俎上に載せたい。「震災復興国債」は、初めて聞いたので研究させてほしい。
4、いまある原発の総点検はもちろん必要だ。新増設計画は白紙というか見直しを含め検討する。体制問題は重大な反省が必要。あり方の検討が必要。
これらを受けて、志位委員長は、「今回は第一次の提言としました。今後も復旧・復興問題などを提言していきたい。党首会談の機会をもってもらいたい」と提起しました。首相も「このような問題は党派を超えて、議論し受け止められるものは受け止めたい」と応じました。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2011/03/31