衆院選挙制度に関する各党協議会。「小選挙区制は民意ゆがめる最悪の制度。比例代表制を中心とした制度に抜本的に改革を」主張!
21日、国会内で、第二回目の衆議院選挙制度に関する各党協議会が開かれ、与野党9党が各々の考え方を表明した。
各党の表明の後、10月25日に第三回の協議会を開催し、今後の論議の進め方を協議することになった。
私は、「日本共産党の衆議院選挙制度の考え方」を文書(《続きを読む》蘭に掲載)で示し、説明を行なった。
他の党からは、「定数削減」が必要だ、「政治家も身を切るべきだ」の意見も出された。
これに対して、私は、「民主党の藤井裕久氏は、復興増税に関連して、『国会議員の定数削減は、増税と同じ次元で考えなければならない』と述べている。もともと「増税』と『定数削減』は、まったく『次元』の違う話なのに、なぜ『同じ次元』で論じるのか。『国会議員が身を削るから、国民も消費税増税を受け入れよ』というのが狙いです。消費税増税を、国会議員を減らすことを条件に通すというのは二重に許されない。消費税増税で生活を破壊したうえ、他方で国民の声が国会に届かないようにするのだから、断じて認められません」と述べた。
現行の小選挙区制区制が、民意を大きくゆがめることについて、多くの党から語られたことも特徴だった。自民党の細田博之氏は「大政党に有利だ」、たちあがれ日本の園田博之氏は「自分の政治生活の中で小選挙区制の実行が最大の失敗」、公明党の東順治氏は「死に票が多い」、みんなの党の中西健治氏は「小選挙区制の弊害は他の党の認識と同様だ」、社民党の中島隆利氏は「小選挙区の弊害は顕著だ」、新党改革の荒井広幸氏は「小選挙区制のもとで民意と議席の遊離は著しい」と批判した。
衆議院選挙制度について
○最高裁判決について
今年3月23日の最高裁判決は、現行の小選挙区比例代表並立制を前提とし、その枠内で、小選挙区の定数を各都道府県に「1人別枠」で配分する規定を違憲と判断したものである。この指摘は当然だが、この規定の改廃で、現行の選挙制度がもっている本質的欠陥が是正されるものではまったくない。現行の選挙制度の最大の問題は、民意をゆがめている小選挙区制そのものにある。
○小選挙区比例代表並立制の問題点について
小選挙区制が導入され、5回の総選挙が行われたが、小選挙区は、議席に結びつかない「死票」が過半数を超え、比較第一党が4割台の得票で7割もの議席を占有するなど、大政党に有利に民意をゆがめる最悪の制度であることがはっきりした。
また、この間、小選挙区制が、政治の「劣化現象」を生み出しているとの指摘が広範にある。いまや小選挙区制の本質的欠陥は明白である。
○選挙制度の抜本改正の方向について
選挙制度の根幹は、主権者国民の民意を正確に議席に反映することにある。
この立場から、現行制度を根本的に見直し、多様な民意を正確に議席に反映することのできる比例代表制を中心とした制度に、抜本的に改めることが必要である。
(わが党は、「小選挙制を廃止し、衆院選挙制度を、民意を正確に反映できる全国11ブロックの比例代表制にあらためる」ことを提案してきた。)
○国会議員定数について
国会議員定数の削減、とりわけ比例代表定数を削減しようとする企ては、断じて容認できない。
比例代表の定数を削減すれば、小選挙区の比重を相対的に高めることとなり、現行制度の本質的欠陥をいっそう拡大し、民意を切り捨てるものとなる。
また、国際的に見ても、日本の国会議員の定数は、決して多いわけではない。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2011/10/21