「衆院選挙制度各党協議会」開催。座長私案提示に「この間の議論をまったく踏まえないもの」と厳しい批判相次ぐ。
15日、「衆院選挙制度に関する各党協議会」第12回会議が開催され、樽床伸二座長が「座長とりまとめ私案」を提示した。(別項。《続きを読む》欄に私案概要)
各党から、「この間続けてきた協議会の議論が反映されていない」「比例定数80削減だけが明記され違和感をおぼえる、唐突だ」などの意見が相次いだ。座長はこれを引き取り明日も引き続き議論したいとして協議会を開催することを決めた。
座長私案について、私は、「この間の11回に及ぶ協議会の議論をまったく踏まえていないものだ」と指摘。「とりまとめというなら、現行の小選挙区比例並立制という選挙制度は民意を大きく歪めているから抜本改革が必要だとの多くの党の意見に何故触れないのか?しかも比例定数80削減は、民主党以外のすべての党が反対していることを無視しいている。とうてい座長としてのとりまとめとは思えない」と批判した。
公明党は「座長私案というが、民主党案と変わらないではないか。比例80削減をいきなり提示してくることは、違和感をおぼえる。削減は民主主義に逆行し危険すら感じる」と述べた。社民党は「協議会での比例80削減は、民主党単独の意見であり、多くの党が反対していた議論の経過を踏まえていない」と発言。今回から協議会の議論に参加した新党きづなは、「比例80削減は、民主党時代に掲げたものではあるが、いま果たして議員定数削減が良いのか?少数や地方の意見が聞こえなくなる。80削減に見合う国会経費を削減すれば良い」と主張した。
「私案」は、緊急措置として、小選挙区の「0増・5減」と民主党が掲げる比例定数80削減を明記。比例定数の削減に伴い民意が過度に集約されることを補正する措置を講ずるとしている。抜本改革については次々回の総選挙から実施できるよう、選挙制度審議会を設置し、次回総選挙後「1年以内に結論を得る」として先送りした。
比例削減について、「自ら身を切る姿勢を率先して示す」と称して、消費税大増税を押しつけるてことして使おうとしているもので、まったく筋違いの議論であり許されないことだ。
資料 ーー座長とりまとめ私案ーー
1、次期総選挙に限った緊急措置
1)一票の較差是正 ・・・小選挙区数を「0増5減」
2)定数削減 政治家自らが身を切る姿勢を率先して示すため、衆議院の比例定数を80削減する。
3)選挙制度 本格的な制度改革を行なうまでの緊急措置として、現行の並立制をベースに、比例定数の削減に伴い民意が過度に集約されることを補正するための措置を講ずる。
(具体的には、一部を連用制とするなどの意見もある。)
2、本格的な選挙制度改革
次々回の総選挙から実施できるよう、次期総選挙後、第9次選挙制度審議会を設置し、・・・新たな中選挙区制(連記制を含む)など、政権選択と一定の民意反映を両立させる選挙制度のあり方について検討を行い、1年以内に結論を得る。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2012/02/15