こくたが駆く

文化財保護をただす。祇園祭装飾品オリジナルもたいせつに!重要文化財の防災対策の抜本的強化を!重文民家への相続税減免支援の拡大を!(予算委・分科会)

分科会質問15日、予算委員会分科会が開かれました。私は文科省所管の第四分科会で、重要文化財の防災対策、重要文化財民家への支援策、祇園祭など重要有形・無形民俗文化の保護について、関係者の要望を土台に、平野博文・文部科学大臣などをただしました。

京都の祇園祭の重要有形民俗文化財である山鉾や懸装品(前掛、見送り、同掛けなどの装飾品)の保護について質問。
祇園祭は重要有形民俗文化財と重要無形民俗文化財(巡行の行事をさす)を合わせて指定されている全国でも特別な民俗文化財です。巡行によって、重要有形民俗文化財が使用され劣化が避けられないという問題を抱えています。

国は、行事を継承するために元々の装飾品と同等の価値がある“新調”(=私はレプリカと呼んでいます)品の作成は認めています。祇園祭関係者からは、装飾品が劣化するまギリギリまで新調を認めていない。もともとの文化財(=オリジナルと呼称)を守るためにも、劣化する前に新調を認めるべきだ」との要望をぶつけました。
河村文化庁次官は「(劣化の前に)早くつくれるようにしたい。元々の文化財も大事であるという認識は共有している」と答弁。

さらに私は、「もともと重要有形民俗文化財だったオリジナルを大事にする気持ちを尊重して支援を行うべきだ」として保護すべき」と求めました。
   次長の答弁は、実際の保護については、関係者に任せるという、情けないものでした。

そこで、祇園山鉾連合会の懸装品調査報告書を広げ、「そもそも国が『保存と継承すべき』として指定した重要有形民俗文化財ではないか。劣化する前に保護するとともに、レプリカができた後もオリジナルを保護すべきだ」と主張しました。

 

分科会質問2

重要文化財の防災対策では、大震災の教訓から、「地震から重要文化財の建物を守るために何が必要か」「現状はどうか」「どうすればよいのか」を平野文科大臣にただしました。

質問を通じて、設置後30年を経過した約100の貯水槽の耐震性貯水槽への整備は9か所にとどまり、重要文化財の建物本体の耐震診断も予備調査が半分程度で、その6割は精密な耐震診断の実施が必要で、耐震補強はその1割程度という実態が明白になりました。そこで、私は、「2つとも対策が遅れているではないか」と、平野大臣に認識を問いました。平野大臣は「こくたさんと同じ認識だ。大事な指摘であり、予算の拡大目指して頑張りたい」と答えました。

私は、「①完成させるべき目標を計画を持つこと。②所有者とよく相談し、事業の理解をお互いに深め、その意向を尊重し、事に当たること。③そのための予算を確保すること」と提案。平野大臣は、「ご指摘を受けとめたい。文化財の所有者と相談し、予算を取りながら防災対策を進めていきたい」と答えました。

個人で重要文化財を所有されている方への支援について、地元京都の関係者(二條陣屋、奈良屋杉本家住宅)や、NPO法人「全国重要文化財民家のつどい」の要望も紹介しながら、相続税の減免支援対策を求めました。

 

| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2012/03/06

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kokuta-keiji.jp/mt/mt-tb.cgi/2625

コメントを投稿

(コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になります。承認されるまではコメントは表示されません。すぐに表示されないからといって何回も投稿せずにしばらくお待ちくださいますようよろしくお願いします。)