国交委「高速ツアーバス事故で参考人質疑」(その2)規制緩和を見直し転換の方向を提案
昨日の続きです。「安全の担い手である労働者の低賃金、労働条件悪化のもとで安全なし」と主張し、法令が安全を守る歯止めになっていない問題について次のように発言し、ご意見を伺いました。
「事故後一番問題になっているのが、交替運転者指針670キロ問題です。国交省の、一日の走行距離670㌔と決めた根拠は、一日の運転時間の上限を9時間とした運輸規則の規定から算出したもの。
そのもとになったのが、厚労省の“改善告示”即ち「自動車運転者の労働時間の改善のための基準」です。それを遵守したとしても、拘束時間は最大1週71時間30分、4週で286時間、これを時間外労働に直すと1カ月115時間以上の時間外労働を容認することになります。これは厚労省が定めた「過労死認定基準」をはるかに上回る基準です。自交総連の労働組合が一貫して指摘していた問題です」
安部参考人は、「入り口で労働条件が担保できない企業は入れないようにすべきだ」とi意見を述べました。
続いて、私は、「運輸事業は『絶対安全』が要で、命にかかわるところでの規制緩和は間違いだ」と述べ、①参入資格の厳格化②適正な賃金と労働条件改善=オーストラリア連邦議会は、「トラック運転者安全賃金法案」を可決した。道路交通産業における労働者に適切な強制力を持つ最低保障賃金、労働条件を決定するとした。参考にすべき。③事故を起こしたバス会社に仕事を発注していた旅行会社の発注責任を問うなど必要ではないかと問い、参考人の意見を求めました。
小田参考人は「新規参入のハードルを高くすることと既存の4000社のレベルアップが必要。旅行者とバス会社の力関係のアンバランスがあり、H4年に比べ、バス事業者は3倍に増えたが、バス事業者が受け取る収入の総額は、45%減少している」。
村瀬参考人は「新規参入の規制強化が安全のために必要。旅行業者には国家試験があるが、今後運行管理についても(試験に)必要。そうしてドライバーの賃金が安定する」。
安部参考人は、「高速ツアーバス会社と高速乗合バス会社を一体化する議論がある。問題となっている夜間運行について、ツアーバス会社は、(高速乗合バス会社と違って)、仮眠所も確保されず、飲酒のチェックもできていない。せめて一ヶ月の労働者の管理ができなければ夜行運行の安全が確保できない。夜の安全がクリアできることを新しい一体化の要件とするなどが求められる」などと見解を述べました。
最後に、私は、旅行業者、貸切バス会社、現場の労働者の代表を招致しての参考人質疑を求めました。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2012/05/19