なぜダンスが風営法で規制されるのか? 表現の自由、ダンスの自由を求めて本日「質問主意書」を提出
7日、「ダンスの規制に関する質問主意書」を提出しました。来週の金曜日(15日)に答弁書が閣議決定される予定です。
「主意書」の趣旨は、今年4月からダンスが中学校保健体育の必修科目になったにもかかわらず、いまだにダンスが風俗営業の規制の対象とされており、「時代の変化にそぐわない」と指摘する声が広がっていること。私も同感です。
また、1984年の風俗営業等取締法の改正に際して、拡大される警察権による基本的人権の侵害などが危惧され、衆参両院の委員会で附帯決議がなされましたが、その決議が軽んじられている事例が報告されています。そこで、この決議の精神をいまこそ徹底すべきであることから、警察職員による恣意的な運用が行われないように求めるとともに、そもそも「ダンスの規制を撤回するよう求めるものです。本文は《続きを読む》欄に掲載しています。
ダンスの規制に関する質問主意書
本年4月よりダンスが中学校保健体育の必修科目になった。ところが、いまだにダンスが風俗営業の規制の対象とされており、「時代の変化にそぐわない」と指摘する声が広がっている。
また、一九八四年の風俗営業等取締法の改正に際して、拡大される警察権による基本的人権の侵害などが危惧され、衆参両院の委員会で附帯決議(以下「両院決議」)がなされたが、その決議が軽んじられている事例を聞く。「両院決議」の精神をいまこそ徹底すべきである。
したがって、次の事項について質問する。
一、ダンスをさせる営業の規制について
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」)は、客に「ダンスをさせ」る営業を、「風俗営業」として規制の対象としている(同法第二条第一項の一号及び三号、四号)。
そもそも「ダンス」という行為は、文化芸術として尊重され、表現の自由や営業の自由として憲法上も保障されるべき行為である。この点で、「両院決議」が、「本法の運用に当たっては、職権の濫用をいましめるとともに、表現の自由、営業の自由等憲法で保障されている基本的人権を侵害することのないよう慎重に配慮すること」と指摘している点は重要である。また、「両院決議」は、「本法に基づく政令等の制定及び本法の運用に当たっては、研究会等を設置して、広く各界の意見を聞くこと等により、法の運用に誤りなきを期すこと」を求めている。
1 1948年に「風俗営業取締法」(旧法)が制定された際には、売買春等を取り締まることを目的として、ダンスをさせる営業を規制の対象とした。当時の社会状況から主に「社交ダンス」を規制するものであった。その後ダンス文化の多様な発展にも関わらず、「風営法」は、一般的抽象的な「ダンス」という、曖昧な表記を残している。さらに政府が「ダンス」の定義等運用基準を示してこなかったため、都道府県警察は恣意的に「踵が浮いた」「肩がゆれた」から「ダンスにあたる」と取締りを強化しており、「表現の自由を奪うもの」と批判の声が上がっている。
「風営法」が規制の対象とする「ダンス」について政府の見解如何。
2 本年四月より、「ダンス」が中学校保健体育の必修科目とされている。文部科学省は「ダンス指導のためのリーフレット」で、ダンスの特性について、「古今東西老若男女が楽しむ身体活動」「イメージをとらえた表現や踊りでの交流を通して仲間とのコミュニケーションを豊かにする」としている。このように、「ダンス」は、青少年の健全な育成に必修のものとなっている。
「風営法」は、「善良な風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する」(第一条)ことを目的としているが、今日、「ダンスをさせ」ることを「風営法」で規制するに足る合理的な理由はないと考える。政府の見解如何。
二 「風営法」に対する「両院決議」の尊重と徹底について
1984年(第101国会)の風俗営業等取締法改正案の審議においては、法改正に伴い拡大強化される警察権のもとで、憲法の保障する基本的人権を著しく侵害する恐れがあるとの指摘が相次いだ。こうした危惧を踏まえ、衆参の委員会で附帯決議が行われた。
「両院決議」は、「警察職員の立入りに当たっては、いやしくも職権の濫用や正当に営業している者に無用の負担をかけることのないよう適正に運用すべきであり、その旨都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底すること」「立入りの行使はできる限り避けることとし、なるべく公安委員会が求める報告又は資料の提出によって済ませるものとする」「当該報告又は資料の要求に当たっては、犯罪捜査の目的や他の行政目的のためにこの規定を用いてはならないものとする」「本法の運用に関係のない経理帳簿等を提出させることのないようにすべきである」と明記している。
警察庁の「風営法」等解釈運用基準も、「報告又は資料の提出で行政目的が十分に達せられるものについては、それで済ませることとし、この場合には立入りは行わない」としている。
ところが、最近の立ち入り事例では、「報告又は資料の提出の要求」は一切ないまま、いきなり立ち入る事例や「風営法」に関わらない犯罪捜査のための立ち入り事例、経理帳簿等の押収があるとの声が上がっている。
1 「報告又は資料の提出の要求」がないまま、いきなり立ち入ることがあってはならないと考えるが、政府の見解如何。
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右質問する。
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