高速ツアーバス事故を受けて、規制緩和の深刻な反省と見直しを求める。羽田新大臣への質問。(国土交通委員会その2)
20日、国土交通委員会で空の安全(25日掲載)とともにバスの安全問題について追及しました。
この問題で私は、まず、「現場の労働者の声を聞くことが重要だ」と指摘し、自交総連の提出している6項目の要望項目(《続きを読む欄》に掲載)を紹介し、国の対応状況を質問しました。
自動車局長は、「6月11日に10項目の緊急対策を決め、引き続き9項目について検討している。自交総連からの6項目についても、交代運転手の配置基準等を専門家による検討会議を立ち上げ本日2回目の検討を行っている」と答弁。(27日、国交省は、夜一人運転 上限400㌔の方針を決定しました)
私は、7人の方がなくなられた関越道での高速ツアーバスを運行していた「陸援隊」による28項目にも及ぶ法令違反を示し、「なぜ法令違反を止められなかったのか」と追及。
自動車局長は、「H20年1月の立入検査で9項目の違反を確認し、6月に処分、9月に再度指導が実施されているか確認した。今回28項目の違反を確認したが、この4年間の確認を怠ったことが多くの犠牲を防止し得なかったことと、まことに遺憾」と答弁。
そこで、私は、28項目の違反がいずれもコストを削減するためのものであると指摘。「規制緩和後は、事後チェックでの監査強化することになっていたが、12万もの事業者の全て監査・チャックすることは困難だ。事後チェックで法令違反はなくせると考えていたのか」と再度追及。羽田国交相は「H12年に規制緩和を行った。利用者の利便など見られた一方、事後確認を図っているが不十分さが明らかになった。安全確認や厳格な処分を図ってまいりたい」と答弁。
私は、「規制緩和によって、物事は上手くいく。バラ色のように描いたがこれが誤りだったという深刻な反省と見直しが必要ではないか」と根本から問い、「競争があった方が安全に力を入れる」などの議論があったことを紹介し、「現実は低価格競争、ダンピングで安全が脅かされている」「規制緩和は問題がなかったという前提に立っていたら安全対策など小手先に終わってしまう。参入規制の見直しを行うべきだ」と主張し、「安全含めバラ色といっていたが、規制緩和が最大の問題だ。(規制緩和で)価格下げるしかない。これでは安全は守れない」と指摘しました。
羽田国交相は「違反者には退出を求めていく。参入規制のあり方を検討したい」と答弁。まだまだ不十分な答弁でしたが、参入規制のあり方の検討を答弁したことだけは一定評価できます。
――自交総連の提案6項目とは――
〈1〉届出運賃(公示運賃)違反の是正措置を講じること。また、法違反の日雇い・アルバイト運転者を一掃するため、監督・指導の強化をはかること。
〈2〉低運賃や無理な運行(旅行行程自体が改善基準の拘束時間をオーバーしているもの等)を押し付ける旅行業者への監督・指導を強化し罰則規定を創設すること。
〈3〉高速ツアーバスの監査を強化し、高速乗合バス規制の緩和は行わないこと。
〈4〉交替運転者の配置基準は1日500km以下とすること。 ・運行時間の基準見直し・・・2日平均670kmは、実際は1340kmが上限。
〈5〉深夜運行は、運転者2人制(ツーマン化)とすること。
〈6〉「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」を法制化すること。 当面、①拘束時間1日13時間以内 ②休息期間11時間以上 ③運転時間1日時間以内 ④連続運転時間2時間以内とするなどの
改善を早急に行うこと。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2012/06/28