尖閣諸島、竹島上陸非難国会決議。「冷静な外交交渉で解決をはかれ」と主張し、反対
24日、衆院本会議で「韓国大統領による竹島上陸非難決議案」と「香港民間活動家尖閣諸島上陸非難決議案」がそれぞれ、民主、自民、公明、生活などの賛成多数で議決されました。
日本共産党、社民党、新党大地は反対しました。
本会議に先立つ議院運営委員会で私は以下の意見表明を行い、記者会見し(写真)日本共産党の見解を明らかにしました。
――衆院議院運営委員会での意見表明――
韓国大統領竹島上陸非難決議案、香港民間活動家尖閣諸島上陸非難決議案の2つの決議について意見を述べます。
およそ領土問題は、どのような問題でも、歴史的事実と国際法上の道理に則り、冷静な外交交渉で解決を図ることが大事です。感情的な対応で緊張をエスカレートさせるようなことは双方が自制すべきです。
今回の韓国大統領の竹島上陸問題や尖閣諸島の問題をめぐっても、そうした冷静な対応が重要です。
ところが、本決議案は、韓国大統領の竹島上陸を非難するにとどまらず、「竹島の不法占拠を韓国が一刻も早く停止することを強く求める」として、これまで政府も求めてこなかった、エスカレートした要求をつきつけ、わが国政府に対しては「断固たる決意をもって、韓国政府に対し毅然とした態度をとり、政府が一丸となって、効果的な政策を立案・実施するべき」ことを求めています。ここには冷静な外交交渉による解決の立場がまったく欠落しており、全体として緊張を激化させるものとなっています。こうした決議には、とうてい賛成できません。
また、尖閣諸島上陸非難決議案は、香港民間活動家の魚釣島への不法上陸行為にかかわって、こうした事態が再発しないよう、わが国政府に対して、「尖閣諸島の有効支配を引き続き確たるものとしていくため、警備体制の強化を含め、あらゆる手立てを尽くすべき」ことを求めています。これは、もっぱら物理的な対応を強化することに主眼をおいたものであり、看過することはできません。
いま、日中間、日韓間での領土問題をめぐって、国会がやるべきことは、双方の政府に冷静な対応、外交的話し合いでの解決を求めることです。隣国との領土問題での感情的対立をあおり、緊張を激化させる国会決議はやるべきではない、このことを強く主張し、両決議案の上程に反対する意見表明とします。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2012/08/24