「京舞妓 宮川町」溝縁ひろし出版記念写真展//歌舞伎になくてはならない「鹿の子」絞りの復元。(京絞り工芸館にて)
三条さくらや6階の「ギャラリー古都」で、舞妓写真の第一人者・溝縁ひろしさんの「京舞妓 宮川町」の出版を記念した写真展が開かれています(23日まで)。
溝縁さんは、京都写真材料商組合の舞妓撮影会講師であり、私も同組合の顧問として永年のお付き合いです。
今回、写真展にお招きいただき、「せっかくなので」と宮川町の舞妓さんが勢ぞろいした写真の前で記念撮影。
日ごろは見られない、稽古風景や素顔の表情など写真展を楽しませていただきました。
歌舞伎でなくてはならない、女方の髪飾りである「鹿の子」絞り。
「枯渇」の危機、その復元を依頼されたのが、私のホームページの「京の職人さん数珠つなぎ」でおなじみ、京絞り工芸館館長の吉岡健二さん。
今回は、その復元の様子を伺いに訪問しました。「独特の風合いや微妙な色味の調整など難問続きであった」とのこと。
写真の後ろに見えるのが実物で、左から「藤(ふじ)」「浅葱(あさぎ)」「緋(ひ)」「鴇(鴇)」。この4色が主流だそうです。
吉岡さんは「『鹿の子』という道具は、歌舞伎の舞台のほんの一部分かもしれません。しかし、こうした高品質のディティールが積みあがっているからこそ、歌舞伎の舞台は強烈なエネルギーを発して輝くことができるのだと思います」と、思いのたけを語っていただきました。
また、京絞り工芸館が、インドネシアのジャカルタ・テキスタイル・ミュージアムと姉妹美術館の締約を行なったとのこと。
古代から染には3種類の染め「三纈(さんけち)」があります。「纐纈(こうけち、絞り染)」「臈纈(ろうけち、ろうけつ染)」「夾纈(きょうけち、板での挟み染)」です。インドネシアは更紗などの産地であり、特にバチックというろうけつ染が有名とのこと。
吉岡さんは、現地で講師も勤めています。後ろの写真は、インドネシアの現代作家の作品です。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2013/04/22