ダム調査(続報)山鳥坂ダム建設予定地、鹿野川ダム洪水吐工事現場を視察・調査//大洲市で街頭演説会、ダム問題を語る。
まず、四国地方整備局山鳥坂ダム工事事務所で鹿野川ダムと山鳥坂ダムの概要のレクチャーを受けました。山鳥坂ダム建設予定地と鹿野川ダムトンネンル洪水吐工事現場を視察しました。
いくら説明を聞いても、トンネル洪水吐の大きな管を下がっていく水がきれいになるとは思えない。肱川の関係漁業者が、懸念の意を表明するのは当然だ。
また、山鳥坂ダムをつくっても、集水面積は肱川の流域面積のわずか5%ほどしかない。どうして洪水調整が可能なのかこれまたわからない。
ダムの建設が決定してから下流域の河道の掘削などの整備が行われるに至っては、そのような整備を行っておればダムなどいらないとの世論が大きくなることを恐れてのことかと多くの市民が疑問を抱いている。
午後からは、大洲市の「あいたい菜」前で、ダム視察・視察を行った報告を兼ねた街頭演説会を開催。
辰巳孝太郎参院議員と私が訴えました。折あしく雨の中でしたが、多くの方がお集まりいただき交歓できました。
私は、初めに「ダムとは何ぞや」と問いかけ、①コンクリート構造物、いずれ老朽化、機能低下し更新・改造が必要になる代物だ。②堆砂などによる機能低下が必ず発生する。昨日、高知県の永瀬ダムを視察したが、計画容量を超える堆砂が進行。③ダムは河川環境を悪化させる
次に山鳥坂ダムの問題について、①山鳥坂ダムの洪水調整機能はほとんどない。山鳥坂ダムの集水面積は肱川の流域面積のわずか5%ほどしかない。山鳥坂ダムより下流には、小田川などいくつもの支流があり、鹿野川ダムからの放流も加わるため、山鳥坂ダムの洪水調整能力は機能しないのではないか。②山鳥坂ダムの堆砂計画も疑問であり、肱川流域中で河辺川が一番崩れやすく、地元住民から「ダムができてもすぐ埋まってしまう」と指摘されている。③山鳥坂ダム建設の主目的であった利水目的=中予分水をやめた時点で中止すべきだった。
水害をなくす、治水対策を本気で考えようと強調しました。方向性としては、①ダムの洪水調整による治水対策は役に立たなくなっている。近年、局所的な豪雨が多発傾向にある。ダム上流域のみを対象にしたダムの洪水調整効果は乏しくなってきており、ダム頼りの治水対策は、もはや時代遅れであり、河川整備など河川流域の総合的な治水対策こそが求められている。②河道掘削、築堤など河川整備で十分な治水対策は可能。③内水対策の強化や、避難誘導などソフト面での洪水対策こそ重要になっている。今年は、各地で大雨・集中豪雨による水害、土砂災害が頻発している。京都福知山では、短時間の大雨で市内が冠水した。本流の由良川が氾濫したのではなく市街地に流れ込んだ内水を排水ポンプの故障などで由良川に排出することができなかった。大惨事となった広島の土砂災害では、被災地域の危険区域指定が遅れていたり、避難誘導も不十分だったりした。危険区域への市街地拡張の問題も看過できない。
最後に、「ダム建設」ありきの政治を改めるべきだと指摘。①民主党政権の下で、ダムの再検証を実施した。山鳥坂ダム建設の継続だったが、その中で、ダムなしの河道掘削案などが多数提示された。国交省自らダムなしの治水対策が可能だということを示したことは重要だ。②なぜダム建設に固執するのか。公共投資依存型の地方の経済活性化の幻想がある。ダム建設など大型開発よりも、河川整備など身近な工事のほうが地域経済への貢献度は高い。地域の公共投資は、生活密着型の維持管理・更新事業など地域循環型に転換してこそ活性化できる。③松山大学の市民意識の調査では、大洲市民の約半数が反対という結果が出ている。この世論にこそ従うべきだ。民意を尊重することこそ政治だ。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2014/08/30