こくたが駆く

新テロ特措法の審議始まる。赤嶺議員が質問。(大要を掲載)

新テロ特措法の国会審議が始まった。 日本共産党からは赤嶺政賢衆院議員が質問に立った。非常に重要な内容なので、大要を掲載する。

まず、 海上自衛隊の給油活動をめぐる隠蔽問題です。

私は二〇〇三年五月、 この問題を追及しました。 イラク戦争から横須賀に戻ってきた米空母キティホークの艦長が海上自衛隊から八〇万ガロンの給油を受けたと発言しました。これを受け、 具体的な事実の確認を求めたのであります。そのとき、福田総理、石破防衛大臣は、「イラク作戦には使っていない」 「給油した二〇万ガロンは一瞬にしてなくなった」と説明したのであります。

ところが、 政府はいまになって「事務的ミスだった」と言い出し、 さらに四年前の当時から海幕の担当課長らが事実を知りながら隠していたというのであります。言語道断であります。

これは、 担当者の責任ですまされる問題ではありません。いかなる理由であれ、政府が自衛隊による隠蔽を許したことが重大なのであります。福田総理、 石破大臣は、この責任をどうとるのですか。

石破大臣は当時、 私の質問に、「あらためて米側に確認したから間違いない」と答弁しましたが、キティホークの参謀長も「任務はイラク作戦だけだった」 と証言しています。米側にどのような確認をしたのか、はっきりすべきです。

この際、 これまで指摘されてきた他の転用疑惑も含め、海上自衛隊の活動と給油を受けた外国艦船の活動の全容を明らかにすることを政府に求めます。

徹底的な事実解明のため、 守屋前防衛事務次官をはじめ、関係者の証人喚問を強く求めます。

いま必要なことは、 アフガニスタン情勢を安定させ、テロを根絶するために求められていることは何か、 そのために日本は何をなすべきかを根本から議論することです。

私は現地を三度訪問しました。 戦争でテロはなくせないというのが私の痛切な実感です。

アメリカによる報復戦争開始から六年―― アフガニスタンはいま、深刻な情勢悪化に直面しています。反政府勢力と米軍・ISAFとの間で戦闘が激化しています。今年九月の 「国連アフガニスタン支援ミッション」の報告書は、外国軍隊による空爆と民間人への犠牲、 アフガン人の尊厳を傷つける行動が自爆攻撃を急増させたと述べています。

テロに対して報復戦争で対応したことが、 軍事攻撃とテロの拡大という悪循環をつくり出してきたのではありませんか。この路線のゆきづまりはいまや明らかではありませんか。

いまアフガニスタンでは、カルザイ大統領自身が、 タリバンを含む反政府勢力との政治的な対話による和平を追求する方向にかじを切り替えています。

報復戦争支援をやめ、 政治的交渉による和平を追求する。それと一体になってこそ、貧困、干ばつ対策などの民生支援も実効あるものになるのであります。 そういう環境をつくる外交努力こそ、いま日本はやるべきです。政治的解決の最大の障害になっている報復戦争への支援は中止すべきです。

こうした方向こそ、 憲法九条を持つ日本が果たすべき国際貢献ではありませんか。

新法なるものは、 報復戦争への軍事支援にしがみつき、これまでつづけてきたインド洋での多国籍軍への補給活動をこれまで通り継続するものにほかなりません。

戦争でテロはなくせないことが明らかになり、 毎日新聞の世論調査でも、六割以上が「給油活動はテロを抑えるのに役立っていない」とこたえています。にもかかわらず、 政府が軍事支援に固執するのはなぜですか。

また、 政府は補給対象を「テロ対策海上阻止活動」、すなわちOEF―MIOを行なう艦船に限定したと言いますが、洋上補給活動に関して、 現行法とどこが違いますか。

この間、 高村外務大臣は「アフガン空爆は対象としない」、石破防衛大臣は「補給艦への給油は中止したい」と言ってきましたが、 それらはどこに規定されていますか。複数の任務につく米軍艦船への補給は法律上除外しているのですか。

実際に、米軍艦船は、 インド洋上の海域で、海上阻止活動だけでなく、アフガン、イラク、ソマリアへの空爆から海賊対策まで、 そのときどきの米軍の判断で必要とする作戦を遂行しているのであります。 およそ日本の法律で米軍の活動を限定することなどできないのではありませんか。

さらに、 国会の事後承認条項さえ削除したことはきわめて重大です。いまでも政府が自衛隊による隠蔽や資料の破棄を把握できていないのに、 一体どうやって自衛隊の活動をチェックするのですか。国会の監視がなければ、防衛機密を盾にした隠蔽体質、 現場の暴走に歯止めをかけられないのではありませんか。

最後に、 憲法違反の米軍戦争支援をやめ、インド洋からもイラクからも自衛隊をただちに撤退させるよう求め、質問を終わります。

 

| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2007/10/23

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