こくたが駆く

新テロ法 自民・公明が再議決を強行。本会議で反対討論。 

  昨日10日、参院外交防衛委員会で新テロ法案が否決された。  本会議1

   本日午前の参院本会議でも同法案は否決されたが、自民・公明両党は、 ただちに衆院本会議での再議決を強行した。

 私は、日本共産党を代表して、「再議決は断じて許されない。参議院の意志を重く受け止めきっぱり廃案にすべき」と反対討論を行った。

 討論では、「参議院での審議内容やその意思を一顧だにせず、数の力を頼んで再議決するというのは、 議会制民主主義を踏みにじる数の横暴、歴史的暴挙だ」と指摘。

 法案は、六年間におよぶ米軍戦争支援の実態にてらしても、アフガニスタンの現実や国際社会の変化からいっても、 また国民多数の世論からみても、全く道理はない。国民が求めているのは日米軍事利権の徹底解明だ。憲法9条に違反し、アメリカいいなりで、 米軍の軍事支援に固執することはやめるべきだ、と主張した。

 本会議終了後、衆院議員面会所で開かれた抗議集会に駆けつけた。参加者の皆さんとともに、 派兵恒久法づくりを許さない取り組みをさらに広げよう、と誓い合った。

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新テロ特措法案再議決動議に対する反対討論

本会議反対討論写真 二〇〇八年一月十一日 日本共産党 穀田恵二

 

 

私は、 日本共産党を代表して、新テロ特措法案の再議決を求める動議に、反対の討論を行います。

参議院は、 本日午前の本会議で、新テロ特措法案を否決しました。政府・与党は、この参議院の意思を重く受け止めるべきであります。 衆議院の三分の二議席という数の力でくつがえすことは、断じて許されません。

 

そもそも新テロ特措法案は、 六年間におよびアメリカの「対テロ戦争」を支援してきたことへの総括も反省もなしに、この間のアフガニスタンや国際情勢の変化をかえりみず、 国民世論を無視して、「再派兵、先にありき」ですすめられたものであります。

安倍内閣は、 昨年七月の参議院選挙で大敗し、アメリカに誓約した給油活動継続の見通しが立たない下で政権を投げ出しました。そして、十一月一日、 自衛隊はインド洋から撤退したのであります。これこそ民意に合致したものでありました。

にもかかわらず、福田内閣は、 再派兵するために新法なるものを提出し、二度にわたり会期を延長し、さらに参議院が否決するや、 ただちに衆議院の三分の二の多数でくつがえし、成立をはかろうというのであります。

これは、 参議院での審議内容やその意思を一顧だにせず、数の力を頼んで何が何でも押し通すというものであり、議会制民主主義をふみにじる数の横暴、 歴史的暴挙といわねばなりません。

 

しかも、法案の内容は、 憲法9条を真っ向からふみにじる、米軍の戦争支援そのものであります。

自衛隊がインド洋で行うのは、 米軍などによる報復戦争・掃討作戦への補給支援活動であります。政府は、自衛隊による補給は、「海上阻止活動」 をおこなう艦船に限定すると言ってきましたが、実際には、アフガニスタンやイラクへの空爆作戦を含む、 あらゆる米軍艦船にこれまでどおり給油できるというのが政府答弁であります。まさに、憲法違反の海外での米軍戦争支援法であることは、 明白であります。

テロに対し報復戦争で対応してきたことが、 新たな憎しみと暴力を生み、アフガン情勢の泥沼化をつくりだしてきたことを直視すべきです。戦争でテロをなくせないことは、 いまや明らかであります。

 

アフガニスタンでは、 カルザイ大統領自身が、空爆に反対し、タリバンを含む武装勢力との交渉による「平和と和解のプロセス」に踏み出しています。 いま日本がなすべきは、こうした和平プロセスを支援する外交努力であり、アメリカに戦争をやめよときっぱりいうことであります。

ブッシュ政権がいまだに軍事力による打開に固執している中で、 軍隊を派兵している同盟国からも、軍事中心の手法から和解を促進させる戦略に重点を移すべきだ、「大幅な方向転換」 が必要だという声があがっています。軍事支援に固執し自衛隊を再派兵することは、こうした変化を全く見ないものであり、 まさにアメリカ追随のきわみと言わなければなりません。

 

こうしたもとで、 どの世論調査でも、給油活動に反対が賛成を上回っているのであります。しかも審議をすればするほど、反対の声が高まっている実態を、 「国民の理解と協力を得てすすめる」と繰り返しのべてきた福田総理と与党が無視することは、断じて許されません。

いま、国民が求めているのは、 日米軍事利権の徹底解明であります。輸送機などの兵器調達、「米軍再編」、ミサイル防衛など、 守屋防衛事務次官のもとですすられてきた防衛政策そのものが根幹から腐敗にまみれているのであります。「油を出すより、 腐敗と疑惑の膿を出せ」というのが、まさに国民の声であります。

 

以上、本法案は、 六年間におよぶ米軍戦争支援の実態にてらしても、アフガニスタンの現実や国際社会の変化からいっても、また国民多数の世論からみても、 全く道理はありません。憲法9条に違反し、アメリカいいなりで、米軍の軍事支援に固執することはやめるべきです。

新テロ法案「否決」 という参議院の意思を重く受けとめ、きっぱり廃案にすることを重ねて主張し、再議決に反対する討論をおわります。 □

 

 

| コメント (4) | トラックバック (0) | Update: 2008/01/11

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コメント

日本国憲法とアメリカの軍とを天秤秤にかけて、与党はアメリカの言う「国際貢献」の方が重いと判断した。しかし貢献しているはずのアフガニスタンのカルザイ氏でさえ最近まで日本が給油活動をしていたことを知らずにいたらしい(信濃毎日新聞1面コラムより)。戦争に油を注ぐ行為の継続を、数の力で押し切る与党、敵前逃亡した民主党の小沢代表は「格好だけの野党」であることがバレバレ。第二自民党に名前を替えたらいかが?自がない自民党だから民主党なのか。一人で納得。
 

 採決から「逃亡」した小沢一郎。

 ある程度予想されたことではあるけれど、
(もちろん、「結果論」でもあるけれど、)
彼の「首相指名」に同調したのは「損」だったと思いますね。

あそこであえて「白票」なら、あとになって「ほ~ら、やっぱり、選挙前に言ってた通り、『たしかな野党』は共産党だけだった」と誇れたと思いますね。

裏切った奴を責めるのか、見抜いて釘をさしておくか。

 市川さんいつもご意見ありがとうございます。
 信濃毎日のコラムは面白いですね。
 国際的に見たら、日本がインド洋上で給油をしているという事実を、自衛艦が撤退して「ああそういうことやっていたんだ」と知ったのが大勢ではないかしら。
 撤退したら、「国際的に孤立」するとかの脅しは通用しませんでしたね。
 イラク戦争でも、アフガンの事態でも各々の政権の政策が変れば撤退や削減など当然のことで大騒ぎするほうがおかしいのです。
 それにしても、小沢氏の退席は無責任です。
 自民党席からも「本心は賛成だからだろう」と野次も飛んでいました。

 いつも貴重なご意見ありがとうございます。
 私どもは、二大政党の本質を次のようにとらえています。

「自民党政治の『三つの異常』を共有している」という民主党の路線的な問題点が変わったかというと、そうはいえません。大企業中心主義、「日米同盟」絶対論、歴史をゆがめる逆流を抱え込んでいるなどの問題点を共有し、自公政治を変える路線的立場をもっていません。参院選で、民主党は、「反自公」を掲げましたが、自公政治に代わる政治の中身を打ち出せたわけではありませんでした。民主党は、自らの目標を、「政権交代可能な二大政党制をつくる」としていますが、このこと自体が、基本路線では自公に代わるものをもたないことを示すものにほかなりません。

 民主党は、「反自公」を掲げた「対決戦術」と、その基本路線との矛盾が、今後、国民的に問われ、試されることになるでしょう。わが党は、民主党の公約の前向きの要素については実行をもとめつつ、路線上の問題点については、国民の利益にたって明らかにしていくものです。

 これは、07年9月8,9日に開催した日本共産党第五回中央委員会総会の内容です。

 その後の、「大連立」騒動や、辞任・撤回の一連の問題についても厳しい批判の見解を表明しているところです。
 政治的本質について批判しつつ、首相指名については何度も述べていますが、「国民の『自民・公明政治ノー』という審判を生かし、反自・公の意思表示として投票したものです。
 批判的立場を明らかにしつつ、その時々の国民の意思を最大限尊重する方向で努力するのが基本と考えます。

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