こくたが駆く

職人の「技」に感動! 長谷川杼製作所で、伝統産業を支える「道具」について聞きとり調査

080224長谷川  昨日の午後、今週、国会で伝統産業の問題を取り上げる予定になっているので、 そのための聞きとり調査として、文化庁の選定保存技術保持者である、 「杼(ひ)」製作者の長谷川淳一さん宅を訪ねた。

 「杼」と言っても、普通はピンと来ないだろうが、実物を見たら「あぁ、あれの事か」とピンと来る方も多いと思う。 織物などで横糸を送るために職人の手を左右に行き交うカヌーのような形をした道具だ。
 英語で「シャトル」と呼ぶ。もちろんあのスペース・シャトルの語源である。

 日本で「杼」を作れる職人は、長谷川淳一さんただ独りになってしまっている。

SANY0966  職人の注文に応じて重さや長さを調整された、手になじむ「杼」は手織職人にとって「命」 とも言うべき大事な道具だ。

 樹齢200年以上という「赤樫」の木を使い、さらに乾燥させるのに20年もかけるという。『この木で作れば、100年は持ちます』 と語る長谷川さん。先代・先々代が作った杼がいまだに現役で、修理に持ち込まれることもあるという。なんとも気の遠くなるスケールだ。

 後を継がせようにも、食っていけるだけの注文はないので、弟子をとることはできないとのこと。

 「杼」に限らず、伝統産業を支える道具類の枯渇問題があちこちで起きている。伝統の「技」と結びついた「道具類」は、 将来に残すべき「日本の財産」だ、政治の出番を痛感する。

 

| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2008/02/25

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