地方財政圧迫の「道路中期計画」 生活道路より高速道路優先
道路特定財源に基づく「道路中期計画」(素案)は、今後10年間で59兆円の道路整備を行う計画だ。 もともとの案は65兆円だったのを、政府・与党合意で59兆円に引き下げた。
国交省は、引き下げ後の59兆円の内訳を、25日明らかにした。
これを見ると、計画全体は6兆円(約1割)減ったが、高速道路建設など「基幹ネットワークの整備」は、建設コスト削減分の5% を減らしただけ。計画全体に占める割合は約38%で、2%増えた。結局、 何が何でも21000㎞の高速道路の新規建設を続けようという姿勢がはっきり現れている。
この計画は、「真に必要な道路整備」の計画とされているが、地方単独事業分が省かれている。地方自治体が、「通学路の歩道整備」や 「橋の修繕」など、身近な生活道路の整備を行う場合、多くが地方単独事業だ。「中期計画」は、単独事業を無視し、 地方を切り捨てる考えが現れている。
さらに問題は、国が進める高速道路建設が、地方自治体の財政を圧迫していることだ。
私は総務省の集計データを示した、道路関係費における公債費は、全国の都道府県・市町村の総計で97年度1.9兆円から06年度3. 5兆円へ、1.8倍に増えている。都道府県では2.2倍だ。
90年代に湯水のごとく投資した公共事業・道路投資の「ツケ」が、重くのしかかってきている。
冬柴国交大臣も、「その通り」と事実を認めざるを得なかった。
私は、「道路特定財源を一般財源化してこそ、自治体自らの判断で住民のために切実な生活道路の整備に予算を使うことができる」 と主張した。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2008/02/27