特例法期限切れで新事態に-復活阻止へ論戦展開(しんぶん赤旗4月4日付インタビュー)
<本日付、「しんぶん赤旗(日刊紙)」インタビュー記事を全文掲載します>
道路特定財源問題での参院での本格審議が四日に始まります。日本共産党国会議員団は論戦にどのように臨もうとしているのか、 穀田恵二国会対策委員長に聞きました。(聞き手・林信誠)
三月三十一日までに政府の歳入関連法案が成立しなかったことから、 ガソリン税の暫定税率の期限が切れ、全国でガソリン販売価格が下がりました。
さらに、 ガソリン税収の全額を道路整備だけに充てると定めた道路整備財源特例法も年度末に期限切れで失効しました。
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これにより、法律上は、道路特定財源は一般財源化され、 福祉にも教育にも使えるようになりました。これは、一九五三年に道路特定財源制度がつくられて以来初めての、まったく新しい事態です。
昨年の参院選で野党が参院の多数を占め、 一般財源化を求める世論が高まるという新しい情勢のもとで、政府・与党はこれまでの道路政策を強行できなくなっているのです。
首相新提案と再議決は矛盾
―首相の“新提案”と道路特定財源復活の動きをどうみますか。
福田康夫首相は三月二十七日、 二〇〇九年度に道路特定財源を一般財源化する新提案を発表し、翌日の参院予算委員会では、日本共産党の小池晃議員に対し、 これは全額を一般財源化するものだと認めました。
ところが、政府・与党は、 道路特定財源制度を今後十年間維持する法案を衆院での再議決によって成立させようとしています。これは、 すでに失効した道路特定財源制度を復活させようとするもので、〇九年度の一般財源化をいう福田首相の新提案とは絶対的に矛盾するものです。
この制度の復活を許さないたたかいは、きわめて重要な意味をもっています。 この制度がなくなれば、ガソリン税の暫定税率を復活させる根拠もなくなります。
政府・与党は、ガソリン税の暫定税率を廃止すれば、 大混乱が起きるといって国民を脅してきました。しかし実際には、一部のガソリンスタンドに行列ができた程度です。 後期高齢者医療制度の実施や小麦製品などの諸物価高騰のほうが、よほど国民生活に影響を与えています。
さらに、一度下がったガソリン価格を引き上げることが、 大きな混乱を招くことは明らかです。
また、首相提案は、「一般財源化に伴う暫定税率分」について、今年秋の税制 「抜本改革」で検討するとしていますが、消費税増税との抱き合わせをねらうものであることは明らかです。これを許さないたたかいも大事です。
政府追い込む共産党議員団
―衆院での審議の成果を踏まえ、参院ではどのような論戦を展開しますか。
党議員団はこの間の論戦を通じて、抜群のチームプレーを発揮し、 道路特定財源の根本問題を明らかにして、政府を追い込んできました。
大事なことは、これまでの論戦の成果を踏まえ、 道路特定財源制度の復活のねらいと一般財源化をいう首相提案とのあいだの根本的な矛盾を追及し、 復活を許さないための論戦を展開することです。
野党が多数を占める参院で徹底審議をつらぬくことにより、 一般財源化についての世論の支持がいっそう深まるとともに、地方財政と道路をめぐる議論もすすむでしょう。
道路特定財源制度をめぐる今日の事態は、 長年の道路関連の利権構造に支えられてきた自民党政治の根幹にメスを入れるという意味でも、非常に重要な意味をもっているのです。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2008/04/04