道路財源特例法の再議決に反対!
私は、本会議において日本共産党を代表し、「道路財源特例法改正案」
の再議決に反対する討論を行なった。
通常国会において、道路特定財源問題での本会議の壇上に立ったのは、4回目だ。(ホームページ上は、2月22日、3月14日、4月30日)
政府、自民、公明党は、4月30日にガソリンを値上げする暫定税率を復活させる法を「参議院で否決した」
とみなして再議決する暴挙を行なったばかり。
これに対して、7割以上の圧倒的な国民の声は、「不適切」と世論調査に明らかである。
今回の再議決に対しても、テレビの世論調査は、これまた7割を超える国民が反対の意を表明している。
これほどの民意の無視があるだろうか!断じて許せない。
<続きを読めば、本会議における「反対討論」の動画と大要が見れます>
道路財源特例法改正案の再議決に対する反対討論(2008年5月13日)
日本共産党 穀田恵二
私は、日本共産党を代表して、道路財源特例法改正案の再議決に反対する討論を行います。
政府与党は、4月30日、ガソリン税などの暫定税率を復活させる租税特別措置法を「参院否決とみなし」 たうえ再議決する歴史的暴挙を行いました。
2兆6, 000億円にのぼる大増税によって、 ガソリン価格はいっきに30円もの大幅値上げとなったのであります。折からの原油・食料製品などの値上げとあいまって、 生活必需品の物価高騰に拍車をかけ、国民生活に大きな不安と失望を与えています。
国民の塗炭の苦しみをまったく省みない福田内閣の姿勢は、断じて容認できません。
内閣支持率が10%台に大幅に下落したのは当然であります。
民意を無視する福田内閣に国政を任せるわけにはいかない。これが、国民の圧倒的な声であることを、内閣と自民・ 公明両党は真摯に受けとめるべきであります。
にもかかわらず、昨日の参議院本会議で否決された道路特定財源特例法案を再議決しようとしています。一度ならず二度までも、 数の横暴をくりかえし、 “毒を食らわば皿まで”と、国民世論を無視する姿勢、ここに極まれり、といわねばなりません。
そもそも今回の道路財源特例法改正案の再議決には一片の道理もありません。
本特例法案は「09年度から一般財源化」という福田首相の方針と根本的に矛盾するものです。
道路特定財源を10年間にわたって維持しようという特例法案を再議決しながら、どうして「一年かぎり」だといえますか。再議決しなければ、 特定財源は復活せず、そのまま一般財源化できるのであります。
政府は、本日の閣議決定で来年度からの一般財源化の法改正を担保するといいますが、それは 「道路特定財源制度の規定は09年度から適用されない」という文言を加えたものにすぎません。 国会の議決で成立する法律を閣議決定で限定すること自体が暴論であり、法案修正しない限り、担保にはなりません。
ましてや歴代政府は、これまでも「一般財源化をはかる」などの閣議決定を繰り返しながら、それを反故にしてきたのであります。 この事実を国民は決して忘れていません。
政府は、法案が成立しないと地方道路整備臨時交付金7,000千億円を地方に配分できないことを再議決の唯一の理由としてきましたが、 この臨時交付金は、特定財源制度を前提にしたものです。一般財源化のもとでは見直さなければなりません。確かに多くの地方自治体は、 地方財源を削られては困ると切実にもとめているのは事実です。しかしそれを口実に特定財源を続けようというのは、断じて許せません。 交付税で措置すれば良いのです。
さらに特例法案を再議決・成立させることによって次々に矛盾が噴出します。
道路整備の事業量、総額の問題です。法案は、第三条五項で、10年間の道路整備の事業量を閣議決定すると規定しています。
道路整備にあてる10年間の事業量を決めれば、それは、あらかじめ道路財源を確保することになります。「政府・与党決定」には 「真に必要と判断される道路整備をすすめる」と盛り込まれており、ひきつづき道路整備を優先的にすすめようということではありませんか。 一般財源化を願う国民を欺くものといわざるを得ないのであります。
また「道路の中期計画」は、10年を5年にするといいますが、それは、これまでどこが違うのか、何も明らかにされていません。
現行の「中期計画」は、高速道路の新たな建設を中心にした計画であり、14,000kmの高規格幹線道路、 約7, 000kmの地域高規格道路、 さらにその先には、海峡横断道路をふくむ膨大な計画まであります。 この際限ない高速道路優先の道路政策こそ一般財源化の障害であることは明白です。
こうした道路政策から、住民に身近な生活道路の維持管理などを中心にした道路政策に転換することが求められているのです。
歴代自民党政治が国土政策の柱としてきた高速道路建設優先政治を根本的にあらためるべきであります。
最後に、道路特定財源を、国民生活にとっての緊急性と優先順位にしたがって、何にでも使えるようにすること、 税金の使い方を根本的にあらためることこそ国民の切実な要求であります。
以上を指摘し、道路財源特例法改正案の再議決に断固反対する討論を終わります。
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