住民無視の河川整備計画強行許すな―淀川水系のダム・堤防調査
一昨日から昨日にかけて、国土交通省が計画する大戸川ダム(滋賀県・大津市) の建設予定地など、淀川水系の河川整備に関わり現地調査を行なった。
大戸川ダム建設予定地の調査では、1953年9月に台風被害で堤防が決壊した地点や、水没するために移転し、
現在はダム用骨材の集積場所となっている旧大鳥居集落跡などを調査(写真左)。
写真奥に写っているのは今年3月に開通した新名神高速道路の橋梁で、その手前が水没する県道の付替え道路のための橋脚だ。
ダムを建設するとなると、ダムに水没する道路を付替えるための道路や、建設資材を運ぶための道路が必要になり、
それぞれトンネルや橋梁で繋ぐ必要があるのだ。現場で実際に目の当たりにすると、それらに莫大な建設費用がかかるというのがよくわかる。
天ヶ瀬ダムの調査では、
堤防が脆弱な宇治川下流の槙島地区や景観破壊の問題に直面する塔の島地区などを、地域の住民の方々に案内していただいた。
宇治川の南側には、戦前の大干拓によって消失した「巨椋池」という巨大な池が存在していた。
それこそ豊臣秀吉の時代から人工的に川の流れを変えて作り出された土地である。お話をうかがって、長年この地域に住んでおられる方は、
歴史的にこの地域のどのあたりを小川が流れていたのか等、
どのような治水上の対策を進めるべきかについてさまざまな知恵を持っているのだということが改めてよく理解できた。
見学後に開催された懇談会で、私は「河川行政に住民の意見を取り入れようということで、
河川法を改正して淀川流域委員会をつくってきたのに、国土交通省が『それはまかりならん』となってしまっている。
私たちが流域委員会を支援することが大事だ」「委員会でも、十分議論されていないと宇治川の改修問題など、
市民の間で大きく議論を巻き起こして行く必要がある」述べて、住民参加で河川整備を進めることが大事だということを強調した。
昨日の淀川堤防調査では、姫野浄・衆議院大阪5区候補や小谷みずず・大阪府議をはじめ、 大阪の党議員・候補者のみなさんとともに、淀川河川事務所の毛馬出張所で説明を受け、その後、 淀川の堤防のうち200年確率で計画高水位(HWL:ハイウオーターレベル)を超えると言う3.6㎞の区間を見学・説明を受けた。
HWLを超えるといっても17センチほど。写真左を見てもらってわかるように、 HWLを超えるというラインから堤防の頂上はまだ3メートルほど上にある。そして、 大戸川ダムを建設したとしてもこの水位を最大で19センチほど下げるだけで、「ダムの効果は限定的」 と述べた淀川水系流域委員会の意見もよくわかる。
| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2008/07/25