こくたが駆く

国鉄労働組合第76回大会で連帯のあいさつ

 国鉄労働組合第76回定期大会が、伊東市で開催された。日本共産党を代表して、連帯のあいさつを行なった。
 政党代表の参加は、本日の段階では、日本共産党と社民党であった。

 以下あいさつの大要を掲載します。(午前の議事をスムーズにすすめるためあいさつの時間は5分間でした。)

国鉄労働組合第76回定期大会にあたり、日本共産党を代表して心から連帯のあいさつを送ります。

「闘ってこそ生活と権利が守られる」―この労働組合の原点をつらぬいてきた国労のみなさんの運動が、いま注目され期待を広げています。 21年にわたるJR各社との労使紛争が闘いによって解決されて、差別のない正常な労使関係確立が前進し、 このことも契機になって国労組合員の拡大が各地ですすんでいることは、日本の労働運動を激励しています。

また、3年前の福知山線事故をふまえ、とりくまれている「安全総点検運動」は、国民の安全・ 安定輸送の確立にとって重要な意義をもっています。

いよいよ1047名のJR不採用差別問題の全面解決にむけた運動が焦眉の急務になっています。闘いが22年目を迎え、 病気などで他界された方が48人にものぼっています。   

この間のみなさんの運動が、新しい局面を開いてきています。これまでの裁判でも、不当労働行為、中立保持義務違反が断罪され、 数次にわたるILO勧告・報告や756の自治体決議は「一刻も早い解決」を求めています。

7月、東京高裁による和解提案にたいし、原告団が交渉に応じることを表明し、国土交通大臣も「誠心誠意、解決に向かってやる」とコメントし、 この行方が注目されます。4者4団体が掲げる「雇用・年金・解決金」の要求が実現されるために、日本共産党は、 国会内外でともに奮闘する決意です。

 

 

 

 

闘いを前向きに前進させるうえで、昨年の参院選以降の情勢を、如何にとらえるのかが重要であると考えます。参議院選挙で、自民・ 公明は歴史的大敗を喫しました。私たちは、「国民が、自公政治に代わる新しい政治の中身を探求する新しい時代、 新しい政治プロセスが始まった」と分析しました。

それからの1年間、国労75回大会からの1年間と重なりますが、国民の声と運動が政治を動かすという、新しい変化を生み出しています。

一つは、派遣労働の規制緩和から規制強化へと、潮目の変化が起きています。貧困の根源に雇用のルール破壊があります。 派遣労働が蔓延するきっかけが、1999年の対象業務を原則自由化した労働者派遣法の改悪で、唯一反対したのはわが党だけでした。

派遣労働者による非人間的な派遣労働の実態が告発され、違法・不法を正す国会論戦が展開され、メディアもとりあげ、 社会的な問題として広がり、「蟹工船」ブームと呼ばれる状況も生まれています。

私たちは、現行の労働者派遣法を“派遣労働者保護法”へ抜本改正する規制強化の法案を提起しましたが、 他の野党もそれぞれ派遣法改正案を提起し、政府・与党も「日雇派遣の原則禁止」の法案を次期国会に提出することを決めました。また、 キヤノンをはじめ大手製造業のなかで、「派遣解消」の動きが生まれています。

厚労省も2008年「労働白書」で、「正社員減り生産性停滞」と非正規頼みに警鐘を鳴らし、また、成果主義賃金にたいしても 「人事政策に弊害、改善を」と指摘せざるを得なくなっています。

二つは、後期高齢者医療制度の問題でも、いわゆる「現代の姥捨て山だ」「高齢者差別法だ」と反対運動が広がり、参議院で撤廃法案が可決され、 衆議院で継続審議になっています。近々開催される臨時国会を通じ、後期高齢者医療制度を撤廃させ、 社会保障の拡充をはかろうではありませんか。

三つは、「憲法変えるな、9条守れ」が、国民世論の多数になっています。「読売新聞」調査で、改憲反対が15年ぶりに改憲賛成を上回り、 憲法9条守るが6割になっています。全国7000をこえる「9条の会」の運動や国労の憲法運動が、こうした変化を築いています。

 

 参院選挙後最初に成立した法律は、「被災者生活再建支援法」改正案でした。思えば95年に「住宅支援に公的支援を」 と国会で私が提起したとき、政府は「日本は資本主義社会だから、個人の財産に資する税金の使い方はできない」とにべもない答弁でした。 その後の市民運動、国民的闘い、国会論戦によって、ついに住宅本体再建に300万円の公的支援が実現し、厚い壁を突破しました。 国民の声と運動で政治を変えられることが証明されつつあります。

 

みなさん、原油高、穀物高によるあいつぐ物価高騰が、国民の暮らしを直撃しています。 20万隻の漁船が休漁した画期的漁民ストライキが行われました。洞爺湖サミットは、世界が注目していた投機マネー、地球環境、食料の問題で、 打開策を示せずに終っています。発足10ヵ月の福田内閣・自公政治は、無策の立ち往生です。

日本経済の軸足を、これまでの大企業優遇から、国民の暮らし・家計を応援する方向への転換が求められています。

 

来る総選挙は、政権選択が焦点ではなく、自民党政治の中身の変革こそが求められる闘いです。自民党政治を大本から変えるために、 日本共産党は奮闘する決意です。

みなさん、この大会が、安全・安定の公共交通の確立、暮らしと権利を守る労働運動の跳躍台になり、 さらにJR不採用差別問題の全面解決と国労の新たな発展に実ることを、心からご期待申し上げまして、あいさつにさせていただきます。

 

| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2008/07/30

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