こくた恵二のこだわりエッセー

日本共産党の役割(京都民報5月4日付け)

 「日本共産党の『存在感』が増している」選挙で目を見張らせたのが、京都市長選挙だった。我々にとっては残念・無念だったが、 日本共産党単独推薦候補の中村和雄さんが、各党相乗りの候補に951票差に迫ったことについて、「実際は共産党に完敗」 と大臣経験者をして発言させたのである。
メディアもその存在感に注目を向けている。「確かに最近、共産党の存在が『見える場面』がある。一つは国会対応だ」とし、続いて 「審議でも反響を呼んだ。派遣労働・雇用格差に絞って志位氏が政府に迫った委員会質問に対し、インターネットの掲示板に 『やるじゃないか共産党』『G・J(グッド・ジョブ)などと書き込みが相次いだ』と報道。(静岡新聞3月22日付け、共同通信配信)
 国会正常化に常に日本共産党あり。これはいまや定説になっており、まさに国会運営になくてはならぬ日本共産党だ。
  国会対応では、論戦の中身でも、政治を動かしていることに注目してほしい。3つの点に絞って述べる。
「労働法制の自由化」の追及だ。貧困と格差をもたらす原因として議員団全体が取組んできた。志位委員長の質問はその頂点である。福田首相は、 労働者派遣法の自由化がつくりだした日雇い派遣という働かせ方について、「決して好ましいものではない」と答弁。キヤノンなどの違法・ 逸脱行為についての調査を約束。こうした論戦は3つの変化を生み出している。
①派遣・請負労働現場で是正の動きをつくりだしていること。
②財界が求めてきた労働法制の一層の規制緩和に大きな打撃を加えたこと。 派遣法を労働者保護法にと抜本改正を求める世論を広げる力となっていること。日本共産党の真骨頂を発揮したものである。 (派遣労働を原則自由化した1999年の法改悪に断固として反対したのはわが党だけだったことをあえて付け加えておく。)
2つは、後期高齢者医療制度の問題での論戦だ。今、全国津々浦々で「こんな制度を誰がつくったのか!」と怒りの声が噴出している。
 75歳以上の高齢者をムリヤリ別枠の医療制度に囲み、保険料は年金から天引き、 受けられる医療内容は差別する社会保障切り捨ての最たるものだ。“導入戦犯”は「住民税大増税」と同じく自民党と公明党だ。 この制度を創設した医療改悪法が成立した翌日の公明新聞(06年6月15日付)は、「『国民皆保険』の信頼守る」 「公明党の主張を随所に反映」と書いたのだ。
 日本共産党は、健保の扶養家族から外して新たに保険料を徴収する問題や、資格証明書の発行問題、診療報酬を七五歳で差別する問題を追及し、 保険料引き上げか給付の抑制かを迫る「姥捨て山」制度であることを浮き彫りにして、今日の国民的な「後期高齢者医療制度廃止」 闘争の基礎を築いた。
 3つは道路特定財源の問題だ。わが党は、20年以上前から、道路にだけ使う財源という方式をやめて、社会福祉、環境、教育にも使える 「一般財源化」を主張。今度の国会では、政府の「道路中期計画」が、「59兆円の事業費総額ありき」で、 高速道路を際限なくつくり続ける途方もない計画であることを先駆的に明らかにした。さらに特定財源があるが故に、ムダな、伊勢湾口、 紀淡海峡横断などの六長大橋道路計画まであること暴露、追及した。そして事実上中止に追い込んだことは特筆すべきことだ。
 私どもの論戦と国民的運動が、今ほど政治を動かしていることを鮮やかに示しているときはない。この闘いの先頭に、 予定候補者が国民とスクラムを組んで立っているのである。

 

| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2008/05/04

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