新しい共同の教訓
京都市長選挙は、市民ネットワーク推薦の広原もりあきさんが残念ながら敗れた。 「相乗り」オール与党を相手に、広い市民の共同のたたかいでよく健闘し、無党派層と民主党支持層で、広原さんは現市長を上回る支持を獲得した。 古都・京都の自然と景観の未来を憂える識者の意見広告、宗教者を中心としたイラクへの自衛隊派兵反対のそれが出されるなど、日本と京都の未来を考えようとする市民の真剣な意見が表明された期間でもあった。 各紙も、深刻な市財政、地域経済の再生、古都の景観保全、福祉・教育問題など課題は山積みと報道した。 これらに応え、選挙で堂々とした政策論戦が求められた。しかし合同演説会、公開討論の呼びかけに、現職市長陣営はついぞ応ぜず、いわゆる暗闇選挙に徹したのであった。 市民派は、広原さんを先頭に、市民の暮らしを支える市政の実現、平和の都・京都を訴える政策選挙をおこなった。 市政転換へ、日本共産党は市民ネットの一翼を担って誠実に頑張りぬいた。 たたかいは、京都の新しい市民運動、阪神大震災被災者救援のボランティア、無党派首長と議員、まちづくり、広原さんの出身大学関係者など、かつてない共同の輪の広がりという財産を残した。 日本と京都の未来を真剣に考えようとする市民の運動は草の根でさらに広がり、政治を変えようというエネルギーとして実るであろう。 新しい共同は「バラバラで一緒」という教訓をもとに、次なるたたかいに挑戦する。
(「しんぶん赤旗」2004年2月11日付、新しい政治めざして)
(Update : 2004/02/11)
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