いま憲法が危ない。草の根から憲法守る運動を!
「日本国憲法が危ない」 いまなぜ憲法が危ないと言われるのか。いままでも自民党を中心に自主憲法の制定など憲法改定の動きがあった。自民党が05年までに、同様に民主党も憲法改正案を提示することを明らかにしている。つまり今日の状況は「明文改憲」が現実の政治課題になってきた危険な段階であるからだ。 この6月には、自民、公明、民主の各党が、憲法改正への「中間報告」「論点整理」を発表した。 自民党は、前文に「九条の見直しを反映させ『一国平和主義』の誤りを正す」、ことをはじめ全面書き換え。9条について 「自衛のための戦力の保持を明記」「個別的・集団的自衛権の行使に関する規定を盛り込む」など憲法の大転換の方向を明確に打ち出している。 民主党も「国連の集団安全保障活動を明確に位置付ける」「限定された自衛権を明記する」とし、九条の明文改悪に大きく踏み込んだ。 公明党は「自衛権の明記」「自衛隊の存在を認める記述を置く」等、9条改憲の議論を展開。 海外での軍事行動を容認することは共通している点は見過ごすことができない。 「国連中心」(民主)か「日米同盟」(自民)か、もしくは「国連による国際公共の価値を追及するための集団安全保障は認められるべきではないかとの指摘がある」(公明) 要は、憲法9条を標的にした改正の動きがここまで進行していることをキチンと見ておく必要があるのだ。 「戦争をしない、軍隊を持たない国」から、「戦争できる国」へ、さらに大きく進もうとしているのだ。 しかし、改憲派の彼らにとって最大の弱点は、国民の多数が「日本国憲法9条」改定に反対していることだ。どの世論調査でも、「9条改定反対」が6割前後と多数を占めているのである。 大江健三郎、加藤周一、鶴見俊輔、小田実、梅原猛、三木睦子など9氏が「9条の会」を立ち上げ、「憲法守ろう」の大運動展開の狼煙(のろし)をあげた。京都の宗教界が宗派を超えてアピールを発表した。国民の側から、草の根での反撃が力強く開始された。 このような運動に呼応して、国民の多数である「憲法9条を守れ」の声を、明確な力にしようではないか。 そのために、憲法そのものを開き、憲法を語ろうではないか。 考えると、「地方自治の灯台」と称された蜷川虎三さんは偉大であった。京都府民に「ポケット憲法」という小冊子を贈り続けたのだから。私もポケットからポケットへと憲法を語り継いで生きたい。(衣笠・金閣後援会機関紙「左大文字」へ寄稿)
(Update : 2004/09/04)
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