橋本・元首相の「記憶力」
橋本龍太郎元首相が日歯連による自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件について弁明する衆院政治倫理審査会が開かれた。日本共産党を代表して佐々木憲昭さんと私が議員傍聴した。 真相解明に対する熱意も、金で政治をゆがめる問題での反省のひとかけらも感じられなかった。 一国の総理を務めた橋本氏の「一億円もの献金の授受について」の弁明は、「日歯連側は出していっている。平成研の会計責任者は小切手を受け取った。換金して金庫にいてた。これらが事実なので、事実なのでしょう」と繰り返すだけであった。 目新しいことといえば、日歯連との会合の予約と支払いは、橋本事務所が行ったこと。平成研の派閥を引き継いだ際に、派閥のカネについて、繰り越し金は額面とは程遠い実態だったことにびっくりしたと述べた点ぐらいか。 周辺の事情についてはそこそこ話すが、肝心の献金の授受についてはポッカリと記憶が抜けているというもの。今まで記憶力のよいことを自慢していた元総理にしてはおかしな話だ。 「政治とカネ」をめぐる今回の問題で、国民の真相解明を求めているのは、一億円もの莫大(ばくだい)なカネの授受の事実、献金の目的は何か、カネで政治をゆがめた事実はないのか?おカネはいったい何に使われたのか、などである。 自分に都合の悪い事実を忘れたでは済まされない。思い出してもらおうではないか。前日歯連会長の臼田貞夫、会計責任者の滝川俊行、授受現場にいた青木幹雄参院自民党会長、野中広務元自民党幹事長などを、国会に呼んで真相を解明する以外にない。いよいよ証人喚問は避けて通れない。
12月1日 しんぶん赤旗(日刊紙)関西版に掲載
(Update : 2004/12/01)
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