衣笠・金閣民報「左大文字」6月号(遅くなりました。かんにん!)
国会では、郵政民営化法案についての審議が特別委員会で始まった。 審議すれば審議するほど「百害あって一利なし」の実態が明らかになる。 特別委員会の質疑で、与党の自民党から、「郵政公社をなぜ民営化する必要があるのか」という質問が出る有様だ。一番肝心な大問題を国民の前にいまだに明かにできないということをあらためて浮き彫りにした。 それを解き明かすには、「いったい、誰が民営化を望んでいるのか」を明確にすれば良い。 国民が民営化を望んでいるのか?「ノー」である。 民営化を要求しているのは銀行業界とアメリカに他ならない。 全国銀行協会は、郵便貯金事業の廃止を求め、2月の新聞広告で「官業ゆえの特典は、見えない国民負担に支えられている」とか“公正な競争”が必要などと主張している。これほど人をバカにした話があるだろうか。郵政事業は独立採算制で一円の税金(=国民負担)も使っていない。 銀行業界は、35兆円もの国民の血税を注入してもらい、10兆円はすでに返らぬものとなっているではないか。“公的資金漬け”は大手銀行ではないか。“盗人猛々しい”とはこのような輩を言うのだ。 米国政府の日本への規制緩和要求で「郵便金融機関と民間競合機関会社間の公正な競争確保」を名目に、民営化を督促していたのだ。 民営化の真の目的は、みずからの儲け口を広げるために、郵貯と簡保の縮小・廃止を求めてきた銀行業界、米国金融資本の要求にこたえることにあるのだ。 ところで、民主党のこの問題での態度をご存知だろうか? 民主党の岡田代表は日本経団連との「政策を語る会」で、「本筋は(郵政の金融事業の)縮小・廃止だ」と語っている。民営化そのものに反対する立場ではないのだ。 郵政民営化問題めぐっても、民主党が自民党と闘う足場・対抗軸を持たないことが、ここに証明されている。 全国一律のサービスが義務づけられ民間にできないサービスを提供している郵便貯金・簡易保険を単なる銀行・保険会社に変質させることは許さない。 日本共産党は堂々と審議に参加し、徹底的な論議を通じて問題点をあきらかにし廃案めざしてがんばる。(6月4日記)
(Update : 2005/06/30)
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