こくた恵二
こくた恵二のこだわりエッセー

衣笠洋子さんで京都に春を!(しんぶん「赤旗」4月5日付け)

 「赤字が出ていた。改修には五十億円。入院患者は百人。一人五千万円だ」リハビリ医療の拠点・洛東病院を廃止した京都府知事の、公開討論会における発言だ。
 一見すると正しい計算のようだが、よく考えると来院の患者さんと家族や将来の入院者も数えないデタラメさに直ぐ気づく。肝心な点は、リハビリに励む人々の大変な努力や苦労に思いを寄せない官僚知事の本性が見えたということだ。
 さらに、府は生活保護世帯への見舞金や障害者への雇用を確保するための制度を廃止するなど一番削ってはならない分野を平気で切り捨てている。これほどまでに冷たい府政を変えようと思うのは当然ではないだろうか。
 なぜなら地方自治体の仕事の中心は「住民の福祉の増進」(地方自治法)である。衣笠洋子候補のいう「あったかい府政」とは、この自治体の当たり前でしかも最も大切な魂を取り戻すことなのだ。
 オール与党は、「府民に活力を」看板にしてきた。結果はどうか。西陣の出荷高は最高時の八分の一、友禅は二十分の一に落ち込み、事業所減は全国ワーストワン。二八年間のオール与党は、京都経済の中心である伝統産業・中小企業の活力を奪ったのである。にもかかわらず今日も伝統産業予算は四億円を二億円余に削る。一方で大企業向けの補助金は一社あたり二〇億円に増額だ。
 「逆さまな政治をただし、府民の暮らしと営業を応援する府政への転換を」衣笠候補の訴えはまさに的を射ている。だから日に日に府民の心に浸透している。ラストスパートで京都に政治の春を。



(Update : 2006/04/06)