靖国問題と日本共産党の役割(京都民報8月20日付)
「国民的に向かい合おう」と昨年の5月「日本外交ゆきづまりをどう打開するのか」の演説会で不破(当時議長)さんは提起した。 靖国神社問題は、中国、韓国、アジアにとどまらず、欧米でも戦後政治の原点とは何だったのか広く議論された。今年どのメディアも取り上げ、世論調査も行なわれるまでになり、国民の多数が「参拝反対」の意思を示した。 先ごろ私が出演した「ビートたけしのTVタックル」もこのことが主題であった。収録に比して放映は半分以下で、十分に意が伝わらなかったかもしれない。 だが議論を通じてはっきりしたのは、「核心があの戦争をどのように見るか」の提起に、他の論者が明確に答えられないということだった。 政治家、評論家、学者も含め出演者の中で、(12日収録で)首相の靖国参拝想定に、「『あの戦争は正しかった』とする靖国神社の戦争観・歴史観をみとめることになる」「日本外交のゆきづまりをさらに深刻にする」と反対を主張したのは私だけだった。 過去の侵略戦争を正当化する立場は、憲法を変え「海外で戦争する国」づくりへの衝動と結びついている。 憲法9条を改悪する動きは、自民党、公明党、民主党が改憲の方向を明らかにしていることがそれだ。 終戦61周年の今年、家族でも靖国神社参拝問題を題材に、戦後政治の原点と憲法についてめぐる話し合いを行なう好機ではなかろうか。 考えると、テレビ局も日本共産党が国民多数の意見の代弁者と認知して人選したのかもしれない。
(Update : 2006/09/06)
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