こくた恵二
こくた恵二のこだわりエッセー

医師不足問題で兵庫県・但馬の首長と心通わす(京都民報9月10日付)

 今年の3月、京都北部や滋賀における産科医師不足問題を追及した。政府も「極めて深刻な状況」と認め、竹中総務相は「関係省庁と連絡し適切に対処したい」、厚労省も「医師確保へ努力する」と答弁した。
 メディアも取り上げ、5月には、「産める場所はどこに」との社説を掲げ、8月には「どうする?お産」のサンデー特集を行なうまでになった。
 さらに「医師不足」問題として、NHKの「クローズアップ現代」で、「医療の格差」として取り上げられた。
 その兵庫県但馬地方で、この二年間に22人の医師の減で、9つの公立病院のすべてが医師不足で悲鳴を上げており、「診療科の縮小」「入院ベッドの制限」「夜間救急の制限」など地域医療にとって深刻な事態が生まれている。
 8月30日、但馬の豊岡、養父、朝来の三市、香美、新温泉の二町の全自治体を訪ね、首長らと意見交換を行なった。
「地域医療の崩壊につながりかねない大変な事態」「住民の側に立って打開に全力をつくす」ことを確認しあった。
 私は、政府の「医師は足りている」「医療費の抑制ために」という医師削減策が根本にあり「地域偏在」は医師不足の結果であることを指摘した。中長期的には、ここを改めさせる運動がどうしても必要である。
 同時に、即効性が求められている。医療格差の不安解消は行政の責務であり、国や県に対し、全但馬の自治体、議会を上げて「直ちに手を打て」と要求していくこと、危機意識を共通にして「できることは何でも」の立場で、病院関係者も含めた知恵と力を集めようと訴えた。



(Update : 2006/09/10)