こくた恵二
こくたが駆く

シベリア抑留問題の早期解決を!

photo 「『戦後60年』を前に、今こそシベリア抑留問題の早期立法解決を!11・24集会」が国会内で開かれ、集会に参加、日本共産党を代表して激励のあいさつをした。
 集会に先立って、関西在住の元抑留者でつくる「近畿地区シベリア抑留者未払い賃金要求の会」常任幹事を務めておられる林明治さん(写真・右に座られている方)と懇談した。林さんは「生きた証として(この運動を)やっている。みんな高齢だから命がけのたたかいだ。今、私たちがやらないと憲法9条を変えようとか、日本がおかしな方向へ行ってしまう。」と、つい先日80歳になられたとのことだが、林さんは全国を飛び回っている。 10月21日には大阪府議会が、都道府県レベルではじめて「シベリア抑留者未払賃金の支払いを求める意見書」提出を求める陳情書を採択し、衆参両院、内閣総理大臣、外務大臣、厚生労働大臣に意見書を送った。

 シベリア抑留の問題とは-----
 第二次世界大戦終結前後、約60万人の日本兵士や民間人がソ連の捕虜として連行され、国際法に違反して抑留中に極寒のシベリアで強制労働をさせられ、約6万人が死亡した。抑留者は1946年12月から56年までに帰国、しかし過酷な労働の未払い賃金がまだ支払われていない。
 この問題は無法な抑留をしたソ連に決定的責任があると同時に日本政府も、連合軍の捕虜になり抑留国から帰国した兵士などには、抑留国の「未払い賃金証明書」(労働証明書)にもとづいて労働賃金を支払っていおり、政府にはシベリア抑留者への未払い賃金の支払い責任が問われている。元シベリア抑留者でつくる全国抑留者補償協議会(全抑協)は、連合軍の抑留者と同様に未払い賃金を支払うよう求めているが、政府は「シベリア抑留者問題は決着済み」などと拒否している。
 ソ連は労働証明書の発給さえも拒否してきたが、ソ連崩壊後、94年にロシア政府が3万8000人の労働証明書を発給。日本政府はすでに47年、ソ連に労働証明書の発給を行うようGHQを通じて要請している。証明書があれば支払う意思を、当時示していたもので、今日、ロシア政府の労働証とひきかえに未払い賃金を支払うことは当然である。
 約240万の兵士がソ連に抑留されたドイツは、抑留期間に応じた補償金や釈放手当などを支払い、援護措置も講じてきた。これに比べても日本の対応は全く不当なもので、元抑留者の平均年齢は八十歳を超えており、政府は解決を急ぐ責任がある。

(Update : 2004/11/24)