こくた恵二
こくたが駆く

「スーパー中枢港湾」問題を質問

photo 今日の国土交通委員会で、港湾法等改正案が審議され、「スーパー中枢港湾問題」について質問した。
 スーパー中枢港湾とは、@貨物船の巨大化に対応して、大型のコンテナ貨物が積載可能な貨物船の入港ができる(岸壁1000m、奥行き500m、水深15m以上の)ターミナルの新たな整備、A香港、上海、プサンなどアジアのハブ港湾に対抗できる使用料の低額化、Bそのためのコスト削減(30%削減)を実現できる港づくりだ。
 しかし、私の「大きなターミナル、安い使用料の港をつくることによって、アジアの巨大港に集まっているコンテナ貨物が日本の港に戻ってくるのか、巨大貨物船が必ず日本の港に入港するという確約があるのか」との問いに対し、その国土交通省は、“期待”を表明するしかなかった。
 私は、“巨大な釣り堀”と揶揄されたこれまでのムダな港湾整備事業の例をあげ、「港湾法の改正は、国民の命・安全など生活関連を削り、スーパー中枢港湾など、不用不急の事業に重点投資することに他ならならない」と指摘し、反対した。




参考)港湾の活性化のための港湾法等の一部を改正する法律案に対する反対討論

本法案で促進しようとするスーパー中枢港湾整備事業は、名古屋港、大阪港に新たな水深16メートルのバースを建設するなど、800億円を超える膨大な事業費をつぎ込む大型公共事業です。また、コスト削減競争による中小港湾事業者、労働者へのしわ寄せが懸念されます。
法案に反対する第一の理由は、これまで全国で進めてきた過大な港湾整備の反省もなく、公共事業予算を重点投入する矛先を「スーパー中枢港湾」事業に換えることで、新たに過大な大規模公共事業をすすめるものだからです。
これまで全国ですすめられてきた地方港湾整備は、「杜撰な推計」「過大な需要予測」によるムダの典型として、「1,000億円の釣堀」などと厳しく批判されてきました。ところが、こうした公共事業の無駄づかいの反省もなく、公共事業予算を「選択と集中」「重点化」と称して、スーパー中枢港湾事業など大規模港湾整備に重点配分しています。
一方、地震・津波など災害対策を中心とした海岸事業予算を縮小しています。大規模公共事業を優先し、国民の命と安全を後回しにするような公共事業の進め方は根本的に転換すべきです。
反対理由の第2は、特定港湾以外の港湾における一般港湾運送事業等及び検数事業等の規制緩和は、最低限の賃金の確保さえできないなど、いまでも深刻な港湾労働者の雇用、労働条件をいっそう悪化させるおそれがあるからです。
なお、今後の港湾行政は、特定の港湾・ターミナルの規模を新たに拡大する投資ではなく、全国各地にある既存の港湾ストックを有効活用すべきであることを指摘し討論とします。

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(国会議事堂と議員会館の間のイチョウ並木。小さな葉が出てきました。)

(Update : 2005/04/15)