こくた恵二
こくたが駆く

議院運営委員会で郵政民営化特別委員会設置に反対

 本日議院運営委員会で、「郵政民営化特別委員会」の設置が決められました。私は、以下のような意見表明を行い、採決で反対しました。 
  郵政民営化特別委員会設置について意見表明
                        日本共産党 穀田恵二


 小泉内閣が、連休前4月27日になって国会提出した「郵政民営化法案」は、郵便・貯金・簡保という郵政三事業が担ってきた国民への基礎的な通信・金融サービスとそれを支える郵便局の全国ネットワークを重大な危機にさらすものであり、わが党は、本法案の撤回をつよく要求してきました。
 そもそも何のための民営化なのか、小泉首相は、いまだにまともな理由を示さないまま、「改革の本丸」と一方的に称して、残り会期一ヵ月というもとで審議入りし、成立をはかろうとしていることは容認できません。

 重大なことは、本法案が、審議の前提を欠く、欠陥法案であることです。
 この間、議運理事会で議論になったように、本法案は、一九九八年に制定された中央省庁等改革基本法第33条1項6号と真っ向から矛盾するものです。この規定は、郵政事業庁を郵政公社に移行させる方針を盛り込むにあたって、「民営化等の見直しは行なわない」と明記したものです。この規定は、当時、郵政公社化が「民営化の一里塚」ではないかという批判にこたえたものであり、当時の小里行革担当大臣は「これはこの形態でいきますよという精神をきちんと明記」したものだと答弁していたのであります。
 「郵政公社を民営化せず」は、国会と国民に対する政府の約束として法律に明記したものです。政府は、この規定をふみにじったまま、郵政民営化法案を提出することは許されないのであります。
 さらに、法案の骨格にかかわる重要な事項が130項目以上も政省令に委任されていること、また、法案提出直後から政府与党内部から法案修正が公然ととりざたされていることも重大です。およそ責任ある法案審議はできないといわねばなりません。

 こうしたもとで、なぜ特別委員会を設置するのか。議論はきわめて不十分です。
 与党筆頭自民党の山口理事は、「郵政民営化にかかわって、金融、物流など広範な議論を時間をかけておこなう必要がある」といいました。しかし、郵政を所管する常任委員会は総務委員会であり、現に総務委員会で金融、物流をふくめた広範な議論がおこなわれており、信書便法案も郵政公社法案も総務委員会で審議されました。所管であり、蓄積もあり、専門性もある総務委員会で審議することにいかなる不都合があるのでしょうか。
 昨日、公明党の遠藤理事が「定例日にとらわれず集中して審議できる」とのべたことは看過できません。結局、総務委員会ではなく特別委員会とするのは、定例日にとらわれないということだけではありませんか。
 反対意見を無視して、法案にどんなに欠陥があっても、短期間で押し通そうという姿勢は、議会制民主主義に反するものであり、断じてゆるされません。
 以上、郵政民営化特別委員会の設置に反対する意見表明とします。

(Update : 2005/05/20)