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住宅の耐震改修促進へ=補助率引き上げを要求
18日の国土交通委員会で、私は午前中、尼崎脱線事故の問題でJR西日本が作成した「安全性向上計画」の監視・監督等について質問した。その日の午後、「耐震改修促進法改正案」が審議され、本改正案については吉井英勝議員が質疑に立った。 同法案は、東海・東南海地震などいつ起こってもおかしくない切迫する大地震の発生に備えて、住宅・建築物の耐震化を緊急に進めるために建築物の耐震改修促進法を改正するものだ。現在、住宅で1,150万戸、建築物で116万棟が、いまだに耐震化できていないと推計されている。これを10年間で、住宅650万戸、特定建築物5万棟の耐震化をすすめ、全体の9割の耐震化を目標としている。 吉井議員は、内閣府が9月に発表した「地震防災対策などに関する世論調査」を紹介、今後10年間に自分の住んでいる地域で大地震が起こると感じている人が64%に上るのにもかかわらず、8割以上が自宅について耐震改修や診断を行っていない。やりたいが費用面の問題を上げている方が半数を超え、改修できる条件としては、公的な支援があることと答えた人が38%。住宅の耐震化に向けて国や自治体がやるべきことのトップは、耐震改修費用の負担で63.8%となっている。この結果に「公的支援の重要性が現れている」と指摘した。 国の耐震改修補助制度について、昨年、11月9日の国交委員会で私が取り上げたが、2003年度までの実績は、共同住宅で40戸、戸建住宅は、実績なし。04年度、05年3月31日まででは、国の補助は、戸建て住宅が14軒あったが、共同住宅は40戸のまま。国の耐震改修補助の活用がすすまない原因の最大のネックは、一戸あたり平均で約200万円もかかる費用負担だ。国の補助率が8%、地方が同額を負担して補助しても全体で16%だけ。結局は84%、例えば200万円だと168万円は自己負担しないといけないということになる。 そしてもうひとつは、使いたくても使えない要件の設定がある。例えば、道路沿いの住宅に限るなど極めて適用要件を狭くしていることだ。 吉井議員は、「こういうことでは目標との関係でみても、間尺にあわない。耐震改修化促進という国の責任は、果たせているとは言いがたい。国の補助が使えるように、補助率を大幅にアップすること、さらに要件を緩和、むしろ撤廃して、耐震改修が必要な住宅すべてを対象にすべきではないか」と厳しい補助要件を撤廃するよう求めた。 これに対し、北側一雄国土交通大臣は、「もっと使い勝手がいいようにすべきであるということにつきましても取り組みをしなければならないと思っている」と答弁。 さらに、「耐震改修工事を実施したが、きちんとできているかどうか、中間検査や完了検査も重要だ。耐震改修実施後のチェックはどうか。悪質リフォーム詐欺が横行しているだけに、大事な点だ」と指摘した。
(Update : 2005/10/21)
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