岸田今日子さんと野坂昭如氏の往復書簡(通販生活)に感動
亡くなった父の供養の日を母と過ごしている。連れ合いが持参した「通販生活」を手にした。
「野坂昭如氏の『昭和からヒトケタからの詫び状』◉往復書簡編5」は一見の価値あり。
岸田今日子さんからの、戦後60年を経て戦争がどんなものか少しずつ解って来たような気がするとして、自らの戦時中における体験を通して次のように語っている。
「一番言いたかったのは、戦争を辛うじて知っているわたし達が、日本だけでは世界中の国に、戦争をやめようと言わなければならないということです。
憲法9条は、守ることが出来ると、他の国にも解ってもらいたいということです」
野坂昭如氏は、岸田さんに、あなたの声を通して人に伝わり、想像力を掻き立てるでしょうと述べている。
実は私も小さい頃、「樅の木は残った」などのラジオ放送で想像を掻き立てられた一人だ。
氏は、「ぼくは戦場を知らない。だが、たしかに戦争を知っている。ぼくたちは、日本の、これまでに最も無惨な、具体的な死を眼にした世代。…ぼくらの責任は大きい。戦争を知っているぼくらが、本気で戦争反対を口にしなければ、また戦争ははじまる。」
氏は、京都、大阪、神戸で語り継いでいる。「戦争を語ることが世代の責任」とテレビでご一緒したとき、私に語ってくれた。
(Update : 2005/10/23)
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