耐震強度偽造問題で国交委員会質疑
昨日の参考人に続き、今日は国土交通省に対する質疑を行った。
私は、まず、この問題の焦点はどこにあるのか。@危険なマンションの居住者、周辺住民などに対する救済を誰が責任を持って行うか。A建築基準法に基づく耐震基準などが、なぜ守られなかったのか、事前に防ぐことができなかったのか、その原因を徹底究明する必要があること。B同時にその背景に、住宅販売でのコスト削減競争の過熱などがあるのではないか、掘り下げた分析が必要だということ、を明らかにした。 これらに対し、北側一雄国交大臣は、「政府部内できちんと整理し、問題点を明らかにしていくことが大事」と答弁した。 そのうえで「建築確認制度そのものが問われている事態だ。民間検査機関が建築確認を行い、地方自治体は報告書をもらうだけで、直接検査するわけではない。この矛盾をどう認識し、どう解決しようとしているのか。」との私の問いに、北側大臣は「関係をもう少し見直しすべきだと思う」と答えた。 「建築士が構造計算書を偽装したのはなぜか、構造計算書の偽装を見抜けなかったのはなぜか。偽装は論外としても、利益を上げるためのコスト削減として、『鉄骨を減らせ』と要請している建築現場の現状は、異常だ。安全を犠牲にすることがあってはならない」。さらにイーホームズが確認検査で、構造計算書の偽装を見抜けなかったのは、イーホームズが法令どおりの検査マニュアルもなく、手抜き検査を行っていた(国交省はイーホームズを刑事告発している)。「民間の指定確認検査機関を監督するのが、国、自治体だ。国交省の責任の重大だ」と追及。 民間の確認検査機関を認めた98年の建設基準法改定のときに、今回の事態が、わが党議員が指摘していた。実際、神戸市や京都市など建築行政担当者が大幅に減るなど、弱体化している。 私は、「住民の生命,健康及び財産を保護する目的をもつ建築確認制度が、今回の耐震強度偽装問題を通じて、きわめて不備であること、国の監督責任も果たされていないことも明白となった。これらは、規制緩和、構造改革路線が、国民の生命と健康、財産を保護する立場に逆行している証でもある。とりわけ、民間検査機関の参入を決めた98年建設基準法改定、本当にこの方向でよかったのか、再検討する時期に来ている。」と述べた。
(Update : 2005/11/30)
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