「05年度補正予算」に反対する
2005年度補正予算は、30日(月)に締括質疑・討論・採決を行い、今夕の本会議で採決。
補正予算に対して、「反対」の態度を表明。
1)05年度補正予算案について、政府は「緊急性の高い追加財政需要へ適切に対応」(財務省)するため、災害対策費、アスベスト対策関連経費などを計上したと説明しています。
災害対策など緊急、切実な被害者救済のための補正予算を組むことは当然です。
2)しかし、本補正予算には、「在日米軍再編計画関連経費」、すなわち米軍基地再編のための調査費等3億円がもりこまれています。具体的には、現在、日米「合意」にもとづく基地再編強化の対象とされている米軍・自衛隊基地のうち、沖縄県の米海兵隊キャンプ・シュワブにかかる基地移転の調査経費2億2900万円をはじめ、米海軍厚木基地(神奈川県)、米海兵隊岩国基地(山口県)、海上自衛隊鹿屋基地(鹿児島県)、航空自衛隊築城基地(福岡県)、航空自衛隊新田原基地(宮崎県)の5基地についての「現況調査」を行なうための経費です。
これらは、日米安全保障協議会(2プラス2)における日米合意(「日米軍事同盟の変革と再編」)にもとづき、在日米軍基地と自衛隊基地を再編強化し、自衛隊と米軍の軍事一体化を推進し、日米同盟の地球的規模への拡大をいっそうおしすすめるものであり、断じて容認できません。
SACO関係経費は、この補正予算に90億円計上されており、05年度当初予算と合わせて353億円となります。
これは、沖縄での米海兵隊実弾演習を本土で移転実施することにともなう住宅防音工事や演習場周辺住宅移設等に関する経費であって、認められません。
3)また、アスベスト対策では、工場周辺住民など労災の対象外である中皮腫患者らを救済する措置として、患者には医療費の自己負担分や療養費、遺族には特別弔慰金や葬祭料を支給する経費などが計上されています。
これまで石綿による健康被害がありながら一切救済されなかった周辺住民等の救済対策にはじめて踏み出したことは、長年にわたる国民の要求・運動を一定反映したものといえますが、その内容は、国の行政責任と関連企業の加害責任をあいまいにし、救済水準もきわめて不十分なものといわざるをえませ。
少なくとも労災補償や公害健康補償水準の補償にすべきことを強く要求します。
なお、耐震強度偽装対策ついて、偽装された分譲マンションの解体費や住民の移転費など、当面緊急に必要とする経費に対して一定の補助をすることは必要ですが、本来、被害者救済のためには、建築主や施工業者などの関係者が第一義的責任をはたし、同時に住宅ローンを貸し付けた金融機関や不動産業界に負担と協力をもとめ被害者の負担を軽減し、不足費用を政府が補償する措置をとるべきです。(この点はすでに国土交通委員会で主張)
再発防止のために、建築基準法、建築士法などを抜本的に見直すとともに、民間まかせの検査・確認体制を見直し、行政・公(おおやけ)が実質的な責任を負える体制に強化するなどの措置をとることを強く求めます。
(Update : 2006/01/30)
|