こくた恵二
こくたが駆く

「民主・メール」問題―野党のあるべき姿と、国民が期待する自民党悪政の追及

 民主党の永田寿康衆院議員が本日午後、ライブドア事件をめぐる「送金メール」問題について、国会内で記者会見した。
 16日の衆院予算委員会で、同議員が「ライブドア前社長の堀江貴文被告が武部勤幹事長の二男への送金を指示したと指摘されるメールを国会で取り上げたこと」事に端を発したこの問題。結局民主党の側から「疑惑」を裏付ける新たな証拠が提出されず、本日の記者会見で「十分な調査が進まないまま質問に至った」「私の質問で迷惑をかけ、国会を混乱させお詫び申し上げる」と謝罪するという結末を迎えた。

 私はこの問題を考えるうえで、2点指摘しておきたい。

 1つは、「野党のあるべき姿」として、野党が政府・与党の疑惑を本格的に追及しようとするなら、その材料や資料はやはり確実なものでなければならないということだ。
 政府の疑惑の場合は、資料とその根拠を示し、調査を要求することもあり得る。

 民主党内からは”野党の追及というのは、あんなもの”などという声さえ聞こえてくるが、真偽を説明できない資料を基に質問をし、あまつさえ断定して人をおとしめることを目的にしたりすれば、逆に足をすくわれてかえって自民党を喜ばせることになるということにとどまらず、国会と国民をばかにすることになる。
 

 2つ目に、ライブドア問題が、マスメディアの宣伝によって「永田メール問題」矮小化されてしまったが、ライブドアの真実など自民党の悪政の追及こそ国民が求めているということだ。

 当初、時代の寵児ともてはやされた「ホリエモン」の逮捕ということで、昨年の総選挙で、堀江氏を事実上「準公認候補」と持ち上げた自民党の責任や、ライブドア流の「錬金術」を可能にした規制緩和の問題など『ライブドア問題と自民党のつながり』に、世間の注目も集まっていた。
 それがほんの2月16日からのほんの2週間ほどで台無しにされてしまった。結局一番得をしたのは「自民党」で、損をしたのは野党の追及を期待し裏切られた「国民」だ。
 自民党などは、「問題をうやむやにしないよう」などと言っているが、追及されるべき問題は何か。
 ライブドア、耐震強度偽装、米国産牛肉輸入、防衛施設庁談合、格差社会と貧困の広がり、さらに大増税問題、医療の大改悪、基地強化など自民党政治の根本の追及を国民は求めている。

(Update : 2006/02/28)