こくた恵二
こくたが駆く

住生活基本法を考える国会集会に参加

photo 住生活基本法を考える国会集会に参加した。

 住生活基本法案について考える場を企画・参集された皆さんに敬意を表します。

1、第一に、この間の政府の住宅政策の流れは何か。
 住生活基本法案は2月6日閣議決定され、国会に提出された。
 この法案は、これまで5年ごとの公営・公庫・公団住宅の建設戸数目標を定め、公的住宅の供給を図ってきた「住宅建設計画法」を廃止し、今後は、住宅供給や居住環境の形成は、民間活力・市場整備によって推し進めることを住宅政策の中心にしようという内容になっている。
 一言で言えば、住宅に関する国の責任を大きく後退させ、これまで以上に民間任せにするもの。公団住宅や公社住宅の民営化方向へのシフト、住宅金融公庫の廃止と公庫ローンの証券化など、これまでの公的関与の縮小を追認していることをみても明白。

2、第二に、住宅政策の民間まかせ・市場化が何をもたらすか。
 耐震強度偽装事件の発覚で、国民の命・安全すら守れないことが、明らかになった。
 90年代の規制緩和政策は、アメリカや財界の圧力の下、「高コスト是正」・「市場競争導入」など目的に、「住宅建設コスト削減のための緊急計画」までつくり、政府上げて推進した。そのために、98年に建築基準法が大改悪され、建築確認制度の民間開放や性能規定化が進められた。現在の耐震基準は、大震災による倒壊の危険はないが、そのままでは生活はできない、住生活は守れないもの。その基準すれすれ・ぎりぎりの設計が横行し、場合によっては基準を下回る設計も生まれるが、確認検査をする自治体や検査機関には確実に検査する能力もない。構造計算プログラムというコンピューターで計算すれば、計算内容は素通り。建築行政がいかにズタズタであるかが明らかになった。
 これでは、国民の命と安全、住宅という財産を守れるはずがない。民間の方が技術力は優れているから、国が責任を持たなくても大丈夫だと、安全までも民間任せにしてきた結果だ。

3、第三に、私どもの法案の追及の視点です。
 耐震偽装事件に見られる国の責任放棄・無責任な方向を、住宅政策全般ですすめようというのが、今回の法案の根底に流れている。
 言葉だけみると、「住生活の安定の確保」とか、「住生活の基盤となる良質な住宅供給」とか載っているが、本質はぜんぜん違うもの。これらを国会審議では明らかにしていきたい。「セーフティネット」といいながら、公営住宅からの住民追い出しなど「人権」無視の実態もある。
 「住まいは人権」「居住の権利」を明確にした国民の立場に立った住宅政策こそ求められている。この立場から、皆さんとともに奮闘する。

  大要以上の挨拶を行った。

(Update : 2006/03/06)