こくた恵二
こくたが駆く

国土交通関係の独立行政法人の整備に関する法律案に反対

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 私は、日本共産党を代表して、反対の討論を行います。
第一の理由は、行政機能のスリム化、効率化を理由に、研究所職員の非公務員化をすすめることは、国民の命と安全を確保する国の責任を弱めることになるからです。
 建築研究所や交通安全環境研究所など研究機関は、建築物の安全や交通の安全を確保するための基礎的研究をすすめています。国民の命と安全を守ることは、国の責任です。耐震強度偽装事件やJR尼崎脱線事故の教訓は、効率を最優先にして、安全をないがしろにする民間事業者を監視・監督する国の体制と権限を強化することです。そうしてこそ国の責任が果たせるのであり、安全確保などの研究に従事する職員を非公務員化することは、全くの逆行だといわなければなりません。

 第二の理由は、非公務員化により、研究環境をいっそう不安定にし、基礎的研究の後退をまねくからです。
各研究機関は、長年にわたって基礎的データを積み上げる研究など、採算性は見込めないが、他にかえることのできない貴重な研究を行っています。こうした研究の成果が、国民の安全などにとって大変重要な役割を果たしています。
 一方、独立行政法人化後、職員数や運営交付金の削減、外部資金の確保が押しつけられてきました。非公務員化されれば、成績主義の人事評価制度とあいまって、短期間で結果が出る「効率のいい」研究が優先され、本来研究にとって不可欠な基礎的・独創的研究の軽視につながることは明らかです。




(Update : 2006/03/14)