こくた恵二
こくたが駆く

「洛中洛外図」とゑんま堂狂言

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 ゑんま堂狂言と言えば、千本ゑんま堂でおこなわれる、嵯峨大念仏狂言、壬生狂言と並ぶ京都の三大狂言の一つ。
 10数年前のことだが、その千本ゑんま堂(正式名称:引接寺・いんじょうじ)で「洛中洛外図」を見せていただいたことがあった。(ゑんま堂狂言保存会の方々を激励。当時の住職がゑんま堂狂言の由来を洛中洛外図=上杉本で解説していただいた。)
 たしかに、ゑんま堂狂言の様子が描かれていたのだが、その本を手に入れたいと思い、馴染みの古本屋の「東方書店」さんに訊ねて見たのだがその時は手に入らなかった。
 (写真は、上杉本。千本ゑんま堂狂言が見えますか?薄く「千本とゑんま堂」と二列に縦に)

 それからは、もう失念していた。
 先週突然、東方書店さんから、「洛中洛外図が手に入りましたけど」との連絡。
 「そういえば5月1日から古書研究会の即売会」と思いだして、古書即売会の会場で受け取ると約束。
 ふと何でその本を探していたのか、「ああそうや!ゑんま堂狂言やった」と膝を打ち、、、
 
 ご無沙汰しているなー。よくよく考えてみると、その「ゑんま堂狂言」は毎年5月1日から4日までの開催。
 「これも何かの縁」
 5月1日に洛中洛外図(上杉本)を手に入れる。要は「『ゑんまさんにもあいさつに行け』と言うこっちゃなー」

 そんなこんなで、夕方に上京区選出のくらた共子市会議員とともに、千本ゑんま堂へ。
 
 堂内では、ご住職の妙昭尼さんに、その話をして「何かのご縁があったのでしょう」と感激していただき、迫力満点のご本尊様を拝ませていただくことも出来た。(下の写真は補修なったゑんま大王)

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photo ちなみにこの「千本ゑんま堂」は遅咲きの普賢桜で有名。
 普賢桜は非常に珍しい桜で、千本に1本も生えてこないと考えられていた。その普賢桜が何本も生えていたから、都の造営をした人たちが「きっとこのあたりには何千本も桜があったに違いない」と考えて、ゑんま堂の前の「通り名」を「千本通り」と名付けたのだとか。
 散り際の美しさも愛でるのが観賞の秘訣ともお教えいただいた。

(Update : 2006/05/06)